こんにちわ、訪問ありがとうございます!
はじめに
前回「小学校 算数 【2年生】– ①単元と項目」をご紹介しました。
それだけでも 十分かもしれませんが、学習指導要領 公式解説には、なるほど!と思う詳しい内容が沢山載っています。
家庭学習をサポートする上で 知っていて損はないと思いますので、今回の記事では、それらを基に さらなる調査などを追加して 詳細をまとめて、前回ご紹介した項目名に沿って 一覧にして ご紹介します。
これだけで かなりのボリュームになってしまいますので、必要なところだけ読んでいただければと思います。
そして 単元の土台や目的、算数的な小話など、他にも記載したいことが沢山あるのですが、ブログ記事だと さらなるボリュームを追加すると 読みにくくなりますので、それらはnote版PDFの方に載せます。
それでは、「小学校 算数【2年生】– ②詳細説明」、ブログ版は主に項目についてのみですが、見ていきましょう!
小学校 算数 – 2年生の詳細説明 (項目について)
各領域ごとに、前回ご紹介した項目と同順で、各項目の詳細を挙げていきます。
数と計算
数と計算 : 2年生 – 各項目 概要説明
- 必要に応じて ものの個数を 同種や同数集まりにして数える (2,5,10 ずつなどでまとめて数える、ものの色や形などで分類して数える、など)、(※同数ずつまとめて数えることは 乗法の意味の理解につながる、また、多くのものの個数を数えるときに 10ずつのまとまりを作り さらにそれを10ずつのまとまりにして数えていくことは 数の表記方法(十進位取り記数法)の理解につながる)
- 4位数までの数の表し方 と それらの数の大小や順序を理解する、3位数から4位数へと数の範囲を徐々に広げて理解を深める、数の表し方のルールを理解する(10ずつまとまると位があがる、かつ 位が1つ上がるごとに左の位置に1つ進んで記載していくというルール)(※この表し方を「十進位取り記数法」といいます)、数の読み方との比較により 記数法の空位となる位に0を書くと言う特徴を理解する(7000は読むときには 空位ではない位だけを言うが 書くときには空位を表す0を各位に記入しておかなければならない)、数の大小関係を不等号「>」「<」を用いて表現できることを知る
- 9999 の次の数 などとして「1万」という数についても知る (「1万を超える数」は3年生で学習)
- 十・百などを単位として もとの数の大きさを捉えた場合 いくつ分になるのか という 数の相対的な大きさを理解する、数の相対的な大きさを捉えることにより 数の仕組みについての理解を深めて 感覚を豊かにする
- 一つの数を ほかの数の積としてみることができるようにして 数の乗法的な構成についての理解する、ものの集まりを幾つかずつにまとめて数える活動を通して 数の乗法的な構成についての実感を深める(12 個のおはじきを工夫して並べる という活動で 2×6・6×2・3×4・4×3 といろいろな並べ方ができることを実感するなど)、ある部分の大きさを基にして その幾つ分として 全体の大きさを捉えることができるようにする、数の乗法的な構成を捉えることにより 数についての理解を深めて 感覚を豊かにする
- 量や順序など 数が表す意味を再確認する、数を分類整理して 結果を数を用いて示す考え方が 日常生活で使われている例を知る(名簿番号・電話番号・自動車のナンバー・ホテルの部屋番号・などなど)、数を用いて整理する利便性を知り そのよさを理解する
- 2位数の加法 およびその逆の減法が1位数などでの基本的な計算を基にして計算出来ることを理解する(1年生で学習した1位数と1位数の加法とその逆の減法 および 簡単な場合の2位数の加法と減法を基にして 和と差を求めることができる (例:28 + 57 なら 一の位同士を加えた8+7= 15 と 10 のまとまりを加えた20 + 50 = 70 とを合わせて 85 と計算できる))、これらの計算を確実に出来るようにする
- 2位数の加法・減法の筆算の方法を理解する(各位の計算を位を揃えてかけば 2位数の計算が各位同士の数の計算になり 1位数の加法または減法などの計算で処理できるようになること と 繰り上がりの考え方 を理解して 筆算を理解できるようにする)
- 次のような簡単な3位数の加法・減法を行いながら 計算の仕方についての理解を一層深める;①百を単位としてみられる数の加法・減法(300+200 や 800−500 のような、一・十の位が共に0の3位数同士の計算。百を単位とした数の見方に関連させて 3+2や8−5を基にして求めることができるようにする) ②3位数と2位数との加法・減法で 百の位への繰り上がりや 百の位からの繰り下がりのないもの、これらの計算を通して「2位数までの計算」と「3位数までの数」の理解を確実なものにする
- 加法で成り立つ性質について、交換法則と結合法則が成り立つという 「考え方」を理解する(a+b=b+a (加法の交換法則)・(a+b)+c=a+(b+c)(加法の結合法則)の「考え方」の理解(※加法で成立する「法則(きまり)」として学習して理解をまとめるのは4年生)
- 加法と減法の相互関係を理解する (AとBを合わせるとCになる関係の時、Cを求める場合が 加法 A+B=Cで、AやBを求める場合が減法 C-B=A および C-A=B となる お互いの関係を 図および実際の数で 理解する)(※ このとき加法と減法は 三つの数量ABCのどれを求めるかによって 相互に関係付けられており、このような関係を「加法と減法との相互関係」といいます)、具体的な場面に当てはめてABCそれぞれを求めることが出来るようにする(例:8個のリンゴがあって4個もらったから12個になったとき、8(A)+4(B)=12(C)について Cを求める(8個あって4個もらったらいくつか)、Aを求める(いくつかあって4個もらったら12個になった、いくつあったのか)、Bを求める(8個あっていくつかもらったら12個になった、いくつもらったか)の 各場合が全て求められる)
- 分からない数を一旦 ″□″ とする、意味がまとまっている(または先に計算するとラクになる等)などの理由で 先に計算を行いたい部分を ″( )″ でくくる、などの方法を用いて加法・減法を行う方法を知る、この方法を用いて計算を行う(※今までの項目などで必要に応じて使っていく)
- 見積もる ということを知る (計算結果の数が 大体どのくらいの大きさやケタ数になりそうか を 計算前に予想してみる という考え方自体や 先に考えておくことの利点を知る)、計算結果の見積もりを 気に掛けてみる(※今までの項目などで必要に応じて考えてみる)
- 一つ分の大きさが決まっているときに その幾つ分かに当たる大きさを求める場合 加法でも表現できるが 乗法という求め方が用いられることを知る(1袋に2個のアメ玉が3袋分あるとき 飴玉の数は2+2+2で求まるが2×3という計算方法があるということ)、乗法は 一つ分の大きさを先に書くことを知る、 (一つ分の大きさ) × (幾つ分なのか) = (その該当数分に当たる大きさ) であると捉える、幾つ分ということを何倍と表して「一つ分の大きさの何倍かに当たる大きさを求める」ということである という意味も 併せて理解する
- 乗法が用いられる具体的な場面を × の記号を用いた式に表す、逆に式から状況を読み取る
- 乗数が1ずつ増えると積は被乗数分だけ増える という性質と 乗法の交換法則が成り立つ という「考え方」を理解する )(a×b=b×a (乗法の交換法則)の「考え方」の理解) (※乗法で成立する「法則(きまり)」として学習して理解をまとめるのは5年生)(※乗法の結合法則や分配法則の考え方 に触れるかどうかは 各学校・先生などに任されています)
- 九九を知り、理解した上で暗記して 1位数と1位数の乗法の計算を 確実に出来るようにする(※九九は記憶力や暗記力という計算力ではない力を使って計算をラクに行えるようになるツールです(ただし呪文としての丸暗記ではなく「理解した上での暗記」です、今後の学習 および 生涯に渡って役立ちます)
- 簡単な2位数と1位数との 乗法の計算方法を知る (12程度までの2位数を用いて、乗数が1ずつ増えるときの積の増え方で説明できる、ということを理解する)
- 元の大きさや量などについて、等分(半分など)した状態などを 表すことができる「分数」という 数の表し方 の存在を知る
- 折り紙やテープなどを使って 1/2 ・1/3 などの簡単な分数を体感する、1/2をさらに半分にすると1/4になることなどを体感する、このような実際の物を操作する活動を通して これらの数が 分数と呼ばれる数であることを知り 実感を深める
- おはじきなどの実際の物を用いて1/2・1/3・1/4 などの大きさをつくる活動を通して数の乗法・除法的なの見方の素地となる感覚をつくる;<例1>12個のおはじきを6個ずつに分けることにより12個の1/2は6個、4個ずつに分けることにより12個の1/3は4個と見られることを理解する <例2>12個を基準にすると「もとの数の半分の大きさ(1/2)」「三つに分けた一つ分の大きさ(1/3)」であることを確認し、そうした表現で表せるようにする <例2>見方を変えて 12個は6個の2倍であり、4個の3倍でとも見られることを理解する、6個や4個を基準にすると「もとの数の2倍の大きさ」、「3倍の大きさ」という見方もできることを知る <例3>「aの大きさの1/2がbの大きさ」「aの大きさの3倍がbの大きさ」などという場合に 1/2や3倍という言葉だけでは bの具体的な大きさは分からないこと および bの具体的な大きが分かるためには もととなるaの大きさをはっきりさせる必要があることも知る( 例えば 同じ2倍でも もとの数が5か50かで結果が全然違うことを確認する、などを通して実感する)
図形
図形 : 2年生 – 各項目 概要説明
- 3本または4本の直線で囲まれた形をそれぞれ 三角形・四角形と呼ぶ、という定義を知り、頂点にも着目する、実際に三角形や四角形の物を操作する活動などを通して これらの定義や特徴を実感的に理解していく
- 正方形・長方形・直角三角形の定義を知り、辺の長さや直角などの図形の構成要素にも着目する、紙を折って直角を作るなどの実際の物を扱う操作を通して直角の意味を実感と共に理解する
- 四つの角が直角である四角形を長方形、四つの角が直角で四つの辺の長さが等しい四角形を正方形という定義を知る、長方形および正方形を 一本の対角線で分けると 出来る形が 直角三角形であることを知る、実際に物を操作する活動などを通して 辺の長さや直角といった図形を構成する要素に着目して これらの図形について理解を深める
- 正方形、長方形などを日常生活の中から探し出し、身の回りで多く使われていることを知り、性質および 観察や分解なども通して、利便性などの観点から 多く使われている理由を考える
- 敷き詰める操作などを通して、図形が規則的に並ぶことで 広くなったり 美しい模様が出来ることなどを感じ、平面の広がりの基礎となる感覚を作る
- 正方形や長方形の面で構成される箱形を捉えて 平面図形と同様に頂点・辺・面などの図形の構成要素に気付く(実際に箱形の物を観察すると 正方形・長方形の形をした面があること、面と面の間に辺があり、辺が集まったところに頂点があること、などに気付く)
- 実際に箱型のものの 観察・構成・分解を行い 頂点・辺・面の個数についても調べる、頂点・辺・面という構成要素に着目して 実際に 六つの正方形や長方形を張り合わせたり 12本のひごを組み合わせたりして箱型の構成を行ったり 逆にこれを分解したりする、これらの活動を通して 立体図形は平面図形で構成されていることに気付く
2年生図形では「正方形は長方形か」という大きな問題があります。子供達が解くテストの問いではなく、大人にとっての社会問題的な意味での問題、questionではなくproblemです。あ~おの図形の中から長方形を選びなさい、という類の問いで 正方形も選ぶとバツになる、おかしい… といった問題(problem)です。数学的に正式に、正方形は長方形に含まれます(四角形の包摂関係という関係で、きちんと学ぶのは中学2年生になります)。どうやら図形の類別で包摂関係まで考えると、小学生 とくに2年生では 理解が難しくなるので、長方形と正方形はまるで別物とも捉えられてしまうような 習い方になるみたいです。しかし、年齢に適した学びとして包摂関係はまだ教えない、のはいいとしても、やはり数学的に正しい答えをバツにされてしまうことが珍しくない、というのは、子供の学びにとってマイナスだと思います。
測定
測定 (1-3年生) : 2年生 – 各項目 概要説明
- 場を共有できる者同士でしか通じない「身の周りの物を用いた単位(任意単位)」ではなく「世界中のどこでも通じる単位(普遍単位)」があることを理解して その利便性を感じる (※普遍とは 多く・広くに共通して存在する というような意味です。この単語が世界共通を意味するワケではありませんが、子供たちが学ぶ、そして私たち大人も含めて 通常接する数量の単位は大体「国際単位系」か「国際単位系と併用して使用が可能な単位」に属していますので、便宜上この表現としました)
- 単位とは「測定のために用いる基になる大きさのこと」であることを理解する(※もっと広義には 単位は「それぞれの種類の数量について この大きさを基本となる1とする」と定めたものです)、 測定とは 「単位を基準にして その量を道具で測り 数値で表すこと」であることを理解する
- 長さの基本単位であるメートル(m)と、接頭語 センチ・ミリ がついた状態であるセンチメートル(cm)・ミリメートル(mm)の接頭語付き単位を理解する、測定するものの大きさに合わせて mm・cm・m のうち適した状態の単位を用いて 接頭語を使うことによる利便性の向上(大きすぎる数が 扱いやすい数になること(小さすぎる数も扱いやすくなるが 小数を知らない2年生の段階では 小さすぎる数の不便さを感じることがまだ出来ない))と その必要性を感じる、 お互いの換算が出来るようにする(※ 基本単位メートルを基準にして 各接頭語が意味するセンチ=1/100・ミリ=1/1000 を掛けた状態を考えた方が理論的にはキレイですが、2年生の段階では 子供達にとって一番身近なセンチメートルを基準に「1cmは10mmだよ」「100cmは1mだよ」の順に携わっていく学び方が多いようですし 子供達には実感が掴みやすいのだと思います )
- 実際にものさしを用いて 直線の長さを正しく測定出来るようにする (ものさしが初めての計器)、ものさしの目盛りの仕組みについても理解できるようにする
- かさの単位として使われるリットル(L)と 接頭語 デシ・ミリ がついた状態であるデシリットル(dL)・ミリリットル(mL)の接頭語付き単位を知る、LとdLとmLの換算が出来るようにする (※ こちらは基本とするリットルを基準にして「dLが(接頭語デシが意味する)デシ=1/10 を掛けた状態だよ」「mL というのもあって1000Lであり100dLとも表せるよ」という考えた方の順番で 学ぶことが多いようです )
- 1リットルマスを用いた かさ の測定を通して 1リットルマスの目盛りの仕組みや 単位というものの意味の理解と実感を深める
- 測定する前に そのものの大きさの大体の見当をつけて デシ・センチ・ミリなどのうち 適した状態の接頭語つき単位を見抜くことで 値が扱いやすくなることを理解して実感する、また 測定の際の適した計器の選択にもつながることを知る、これらのことを通して 接頭語の正しい使い分けにより利便性が向上することも理解する
- 長さと かさ の違いを基に 大きさの問題ではなく 何を測定したいのか 測りたい量のそもそもの種別で そもそもの基本となる単位が異なり 使い分けることを理解する
- 「時刻」は時の流れの中のある1点を示し 「時間」は 時刻と時刻の間の時の大きさを示す「量」であることを理解する、日常生活ではあいまいの場合も多い「時刻」と「時間」の区別を意図的に明確に区別できるようにする
- 時間の単位としての 日・時間・分について正しく知り、それらの関係を理解する、1時間=60分間、1日=24 時間であることを知る、時計の長針が1回転する時間が1時間=60分間であることを理解する、長針が1回転する間の短針の動きからも1時間=60 分であるという関係を実感する
- 日常生活で使う「午前」「正午」「午後」の時間帯を捉える、正午を中心に 午前や午後はそれぞれ12 時間ずつあることを理解する、 短針が1回転するのに要する時間から 午前と午後がそれぞれ12 時間ずつあることを理解する、日時に関する「昼前」「昼すぎ」や「昼食の前」「昼食の後」などの経験と結びつける、時計の模型等の長針や図などを用いて 時刻と時間を捉えて 実感と理解を深める
変化と関係
変化と関係 (4-6年生) : 2年生 – 各項目 概要説明
データの活用
データの活用 : 2年生 – 各項目 概要説明
- 身の回りにある数量を 観点(何が知りたいのか)を一つ明確にした上で その観点に沿って分類して整理する(例:クラスみんなの誕生日が一番多い月を知りたい、自己紹介カードには好きなおやつや趣味などいろいろな情報があるが誕生月だけに着目して整理する)
- 数量の情報(データ)を分かりやすく表す方法として表やグラフが使われることを知る、そのうち 文字・数字のみで作られるものを「表」といい 数字・文字の他に図形も用いて 視覚的に捉えやすく作られるものを「グラフ」ということを知る (※「表」はトーナメント表など 数量データ以外のものもありますね)、データをカードにしてを並べる などの方法で整理することもできるが 表やグラフを用いることで簡潔かつ視覚的に分かりやすくなることに気付く
- 分類して整理した数量(データ)を簡単な表やグラフに表す、および簡単なグラフから数量を読みとり表を作成する(※簡単なグラフとは○(丸)などを並べて数の大きさを表したグラフ(棒グラフの簡易版の様な状態のもの))
- 表は具体的な数字が一目で分かること 対してグラフは最大のものや全体の傾向などの特徴が一目で捉えやすいこと というそれぞれの利点を感じる、グラフから 簡単な特徴を捉える (個数が最も多いのはどれか など)
おわりに
以上で、2年生算数の各項目についての詳細説明は終了です。
個人的意見ですが、ここが『 思考の「要」』だと思います。
今までコツコツ作ってきた 算数的な感覚の土台を、一気に 知識として一旦落とし込み、次学年以降の、いや 大げさですが 生涯に渡る、本格的な算数 そして 数学の世界へと つなげていく。
それが この2年生算数であり、2年生算数は「壁」ではありませんが「要」だと感じました。
例えば、重要度が大きいものの一つが、掛け算 即ち乗法の、その意味。
大人でも、意味を感覚ではなく 言語化して認識する際に、大きな見落としがあることは 珍しくないのでは…と思います。(というかお恥ずかしながら自分が見落としてただけですが…、スミマセンmm)
乗法は、 例えば 2個のアメが3人分あるなら 全部の数は 2×3=6 で 6個と簡単に求まりますが、 処理イメージを 「2個 ×3人」と 捉えることは、子供・大人 ともに 珍しくないと思います。
ここに大きな落とし穴があり、正確には「1人につき 2個 ×3人」、この重要ワード「一人につき」の認識が抜けています。
乗法の 「被乗数 × 乗数」で、被乗数が意味しているのは、数なり量なりの ただの大きさ ではなく「基準となる1に対しての大きさ」です。(※ 単位もつけて考えると一目瞭然です。先の考えだと 任意の数a,bに対して「a個×b人=ab 個人」となり、積abには おかしな単位「個人」が付いてしまい、辻褄が合いません。正しい考えだと 「a個/人×b 人=ab 個」で「人」がきちんと約分できるため、積abの単位は正しい「個」となります。 )
この重要な認識が抜ける原因は「全て整数、いえ、被乗数や被除数(掛けられる数や割られる数)が小数などになっても、乗数や除数(掛ける数や割る数)さえ整数であれば、意識しなくても正しい答えが出せてしまう」からでしょう。
ですが、この認識が抜けたままだと、乗数や除数(掛ける数や割る数)が小数となる計算の意味を捉える5年生で、一気に崩れます。(※小数の乗法・除法は4年生から出てきますが、ここはまだ乗数・除数が整数なので、何となーくの理解でも ひとまず通過できることも多いです。)
他にも、多くはそのまま 「割合」や「分数の乗法除法」なども理解できなくなることに 直結します。(※ちなみに「割合」は「小学生に聞く 算数で苦手なところは」で 堂々のNO.1を誇ることの多い単元です^^;)
根本的な認識が抜けていても、正しい答えが出せている間は、先生も保護者も、そしておそらく本人も、分かっていないことに気付けない。
積み上げ型教科の やっかいなところは、つまづいたと気が付いた時が つまづいた時なのではなく「当時は100点を連発していた あの時に、本当はつまづいていた」これが起こり得るところでしょう。
「割合」などの 算数の関門が難易度を爆増しする5年生が「算数の壁」と言われることが多いですが、その思考の根本は、多くはこの2年生です。
多くは、というだけあって、もちろん この 被乗数の意味だけではなく、「単位」の意味などもそうで、「単位とはいったい何なのか」の理解も、この先の全ての理解の根本となります。
扱う数が簡単な整数である2年生は、どの単元も、根本を理解していなくても、何となーくで通過できる場合が多いので、一般的にも あまり「壁」とまではなりませんが、ここです。
2年生 が『 思考の「要」』です。
とは言え、もちろん 2年生の間に完璧に!ではなく、次学年以降も 戻って再度固めて…、を繰り返しながら、確かな理解を作り込んでいくよう 学習指導要領は組まれています!
では 次回は そんな次学年へと進み、3年生 一回目 「小学校 算数【3年生】– ①単元と項目」を ご紹介します。
それでは(^^)/
(※ noteは24年11月に開設しましたが、まだご挨拶のみです。PDFファイル公開は25年1月初旬より開始していきます。よろしくお願いします。m(_ _)m )