小学校 算数【5年生】– ①単元と項目

算数5年生の難しさに驚くイノママ

当ブログには広告が含まれています

こんにちわ、訪問ありがとうございます!

 

はじめに

小学校 算数の内容、5年生をきちんと見ていきます!

以前の記事「小学校 算数【全体】– 内容領域と単元」の5年生の単元部分を、詳しく見たものとなり、今回と次回の二回に渡って お送りします。

一回目となる今回は、前回の全体紹介の中で 各学年・各内容領域ごとに 単元名の列挙でご紹介した学習内容を、「単元名」だけではなく その中の「項目名」を展開して ご紹介します。

また、「捉え方・考え方などのポイント」と「用語や記号」も学習指導要領からまとめて添えてあります。

その他に、授業活動の指針的な指示の要約も「学習過程の活動例」として 合わせて載せてあり、こちらは全領域に共通となります。

※「捉え方・考え方などのポイント」「用語や記号」「学習過程の活動例」の詳細は下記の【ご紹介内容の補足説明】をご参照ください。

それでは、「小学校 算数【5年生】- ①単元と項目」を見ていきましょう!

 

小学校 算数 – 5年生の内容領域

5年生で学習する領域は「数と計算」「図形」「変化と関係 (4-6年)」「データの活用」の 4つです。

※「測定 (1-3年)」はもう習いませんので「—」で記してあります。

 

小学校 算数 – 5年生の単元と項目

以下より 単元と項目を 領域ごとに、どんどん ご紹介していきます!

まずは 各領域について「単元名」「項目名」「用語や記号」「捉え方・考え方などのポイント」が記載してあります。

最後が 学年を通しての「学習過程の活動例」となります。

※ 紹介内容の それぞれについての詳細は 冒頭部分に記載してあります。「捉え方・考え方などのポイント」と「学習過程の活動例」については、下部にも補足説明があります。

※ ご注意事項も下部にございますので、 ご一読ください。

数と計算

数と計算 : 5年生 – 内容

整数の性質と構成
  • 偶数と奇数
  • 約数と倍数
  • 公約数と公倍数 および 最大公約数と最小公倍数
捉え方・考え方などのポイント
  • 乗法・除法に着目する
  • 観点を決めて整数を類別する仕方を考える
  • 数の構成について考える
  • 日常生活に生かす
★ 用語や記号
最大公約数、最小公倍数
小数点と 整数や小数の表し方
  • 小数点の位置と位 – 10倍・100倍・1000倍 および 1/10・1/100などの大きさ
捉え方・考え方などのポイント
  • 数の表し方の仕組みに着目する
  • 数の相対的な大きさを考える
  • 計算などに有効に生かす
小数の乗法・除法
  • 小数の乗法・除法について – 「乗数や除数が小数」の場合の意味
  • 「乗数や除数が小数」の場合の 小数の乗法・除法の計算(筆算含む)
  • 小数の除法の余りの大きさ
  • 小数の乗法・除法で成り立つ性質 – 整数の場合と同じであることの確認
捉え方・考え方などのポイント
  • 乗法・除法の意味に着目する
  • 数の範囲を 乗数・除数が小数の場合まで広げて 乗法・除法の意味を捉え直す
  • 計算の仕方を考える
  • 日常生活に生かす
分数について
  • 整数や小数の分数表記、分数の小数表記
  • 整数の除法の分数表記
  • 同じ大きさの分数と除法の性質 – 分子と分母に同じ数を乗除してできる分数
  • 分数の相等や大小 – 約分・通分
捉え方・考え方などのポイント
  • 数を構成する単位に着目する
  • 数の相等や大小関係について考える
  • 分数の表現に着目する
  • 除法の結果の表し方を振り返る
  • 分数の意味をまとめる
★ 用語や記号
通分、約分
分数の加法・減法
  • 分数の加法・減法 – 異分母の場合
捉え方・考え方などのポイント
  • 分数の意味や表現に着目する
  • 計算の仕方を考える
数量の関係を表す式
  • 数量の関係を表す式について
  • 式の役割と 公式
捉え方・考え方などのポイント
  • 二つの数量の対応や変わり方に着目する
  • 簡単な式で表されている関係について考える

 

図形

図形 : 5年生 – 内容

平面図形
  • 図形の形や大きさが決まる要素
  • 図形の合同
  • 合同な図形を並べて見えるもの – 敷き詰める操作を通して
  • 多角形の簡単な性質 – 三角形の角の和と 他の多角形への発展
  • 正多角形の基本的な性質、円との関連
  • 円の直径と円周の長さの関係
  • 円周率とは、円周率の使用 (円周率は 3.14 を用いる)
捉え方・考え方などのポイント
  • 図形を構成する要素や図形間の関係に着目する
  • 図形の構成の仕方を考える
  • 図形の性質を見いだす
  • その性質を筋道を立てて考える、説明したりする
立体図形
  • 基本的な角柱・円柱
  • 角柱・円柱の構成要素について – 形やお互いの関係
  • 角柱・円柱の見取図や展開図
捉え方・考え方などのポイント
  • 図形を構成する要素に着目する
  • 図形の性質を見いだす
  • その性質を基に これまでに習った図形を捉え直す
★ 用語や記号
底面、側面
平面図形の面積
  • 図形の面積 – 三角形・平行四辺形・ひし形・台形の面積の計算
捉え方・考え方などのポイント
  • 図形を構成する要素に着目する
  • 基本図形の面積の求め方を見つけだす
  • その求め方を振り返り、簡潔で的確な表現に高めて公式として導く
立体図形の体積
  • 体積の単位 – 立方メートル(m³)と立方センチメートル(cm³)
  • 体積の単位とかさの単位リットル(L)の関係
  • 直方体・立方体の体積 – 体積計算の意味
  • 体積の単位について-長さや面積の単位との関係
捉え方・考え方などのポイント
  • 体積の単位や図形を構成する要素に着目する
  • 図形の体積の求め方を考える
  • 体積の単位と これまでに習った単位との 関係を考える
※ 数学的に「図形」とは、点や面や線や立体、またはそれらが集まったもののことを言います。

 

測定 (1-3年生)

測定 (1-3年生) : 5年生 – 内容

 

変化と関係 (4-6年生)

変化と関係 (4-6年生) : 5年生 – 内容

二つの数量の関係について
伴って変わる場合:比例の関係
  • 比例の関係とは
捉え方・考え方などのポイント
  • 伴って変わる二つの数量を見いだす
  • それらの関係に着目する
  • 表や式を用いて 変化や対応の特徴を考える
★ 用語や記号
比例
比べる:割合
(※「割合」は 算数用語としての意味と 日常語としての意味が 混在しています。もちろんどちらも基本イメージは同じですが、日常語として そのイメージに含む意味を幅広くカバーしている傍らで、算数用語として その中からピンポイントに的を絞った意味を表す用語として働いており、概ね次の3通りの使われ方です:①算数用語「割合」… Aを何倍するとBになるかの 何倍という数。この時 AとBは同種。 ②算数用語「異種の2量の割合」… もとの数をA倍するとBになる時の、もとの数。この時 AとBは異種。(※この語中の「割合」は①と同意ではなく、「異種の2量の割合」のまとまりで一語であり、①とは別物 と捉えた方が掴みやすいです。)  ③日常用語「割合」…比べた結果の関係、つまり 比のこと。この意味の名詞として、および「比べたら~」のような副詞として‍も使われると思います。)
(※5年生で学ぶのは①と②の意味での「割合」であり、こちらは①です。①の場合の「割合」とは「ある数は 基準とする数の何倍であるか」の何倍を表す数であり 乗法の意味において乗数です。表現を変えると「基準とする量を1と見た場合 ある数は いくつにあたるのか を表した数」とも言えます。この比べ方なので 値は必然的に「比較値(ある数)÷基準値」となります(こちらは4年生で学習)。)
(※ そしてそこから、つまりは同じことですが「二つ以上の数量が どのような倍数同士で存在しているかを比べて どこかに基準を定めて その基準を1として そこも他も 数で表したもの」とも言えます。その比べ合う数量の どれかに基準がおかれる場合と、それらの数量を合わせた全体に基準がおかれる場合と があります。)
  • 割合での比較と 基準の定め方
  • 全体を基準にした割合について
  • 全体を基準とした割合① – 基準量1と百分率での表し方
  • 全体を基準とした割合② – 基準量1と歩合での表し方
捉え方・考え方などのポイント
  • 日常の事柄における数量の関係に着目する
  • 図や式などを用いて ある二つの数量の関係と別の二つの数量の関係との 比べ方を考える
  • 日常生活に生かす
★ 用語や記号
異種の二つの量の割合:単位量あたりの大きさ
(※ こちらは上記の割合の意味②の「異種の2量の割合」です。乗法の意味において被乗数である「一つ分の大きさ」であり、つまり「基準量につき どのくらいの大きさずつか」です。この呼び方で括られる際は、基準量の単位は 数学・物理的な単位(1㎢とか1秒とか)の場合のようです。そしてこの時、大概 これらの被乗数には 「速度」や「密度」と言った名前が付きます。 (※ 教科書等では この単元で「割合」という用語は出ず「単位量あたりの大きさ」などの名前となっていることが多いので、子供達はあまりここで「これも一種の割合なのか」などと悩んだりはしないと思います。))
  • 単位量当たりの大きさ – 速さや人口密度など
捉え方・考え方などのポイント
  • 異種の二つの量の割合 即ち 単位量当たりの大きさ として捉えられる数量の関係に着目する
  • 目的に応じて 大きさを比べたり 表現したりする方法を 考える
  • 日常生活に生かす
※ 中学で関数に繋がっていく領域です。関数とはざっくりですが「定まった処理内容があって、処理内部の ある値を決めると その処理内容に従って 返る値も 決まった数が返ってくる その関係 」のようなものです。

 

データの活用

データの活用 : 5年生 – 内容

データの収集と分析 および問題解決
  • 全体を基準とする割合のグラフ化 – 帯グラフと円グラフ
  • 帯グラフについて
  • 円グラフについて
  • 割合のグラフ 複数の比較について
  • 統計的な問題解決の方法 – 解決過程内でのデータの位置付け、データに基づいて判断するということ
捉え方・考え方などのポイント
  • 目的に応じてデータを集めて分類整理する
  • データの特徴や傾向に着目する
  • 問題を解決するために適切なグラフを選択する
  • 結論を 様々な見方で捉えて 考える
測定値の平均
  • 平均とは
捉え方・考え方などのポイント
  • 大まかに捉えることに着目する
  • 測定結果を平均する方法を考える
  • 学習や日常生活に生かす

 

☆学習過程の活動例

全領域共通 : 5年生 – 学習活動例

  • 日常の事柄から 算数の問題を見つけ出して解決する、結果確認を行う、日常生活などに生かす
  • 算数の学習から 算数の問題を見つけ出して解決する、結果確認を行う、さらに発展させて考える
  • 問題解決の過程や結果を、図や式などを用いて数学的に表し、伝え合う

 

※補足説明&ご注意事項

【ご紹介内容の補足説明】

※ 「捉え方・考え方などのポイント」について:算数では 育むべき資質や能力の「3つの柱」の2つ目である「 思考力、判断力、表現力など」を伸ばすために指導することが、各単元ごとに学習指導要領で指示されています(算数の場合です、指示の出され方は教科によって違います)。その内容を、作成者が個人的に要約し、ポイント的に添えたものです。

※ 「用語や記号」について:学習内容の範囲や難易度の指標として 学習指導要領で示されているものです。

※ 「学習過程の活動例」について:学習指導要領で「数学的活動」という名目で指示されている内容の要約です。こちらは先生など指導者向けといった色の強い指示内容ですが(そもそも指導要領なので指導者向けなのでしょうが…)、つまり授業内容に大きく関わってくることは必須なので、家庭学習にも役立つと思います。

 

【ご注意事項】

※ ご紹介する単元名や項目名は、学習内容の意味的なまとまりをご紹介するために、学習指導要領や子供達の教科書等を参考に、作成者が個人的にまとめたものです。学習指導要領や各教科書および参考書等での、実際の括り方や 用いられている名称とは 異なる場合もありますので ご了承ください。

※ 調査や要約等には 細心の注意を払い、出来る限り正確な内容となるよう努めていますが、あくまでも全て、個人の解釈です。内容を保障するものではありませんので、ご了承ください。

 

おわりに

以上で、5年生算数の単元と項目 は終了です。

前回4年生の「おわりに」の繰り返しとなりますが、「割合」は 算数用語としての意味と 日常語としての意味が 混在しており、そして その事実があまり一般的に知れ渡っていません。

それが 子供達の「割合」への苦手意識を大きくしていると思います。

 

以下が、「割合」の概ねの使われ方 3通りになります;

「割合」という言葉の用いられ方

算数用語「割合」として
  • Aを何倍するとBになるかの 何倍という数。この時 AとBは同種。
算数用語「異種の2量の割合」として
  • もとの数をA倍するとBになるときの もとの数。この時 AとBは異種。
日常用語「割合」として
  • 比べた結果の関係、つまり 比のこと。この意味の名詞として、および「比べたら~」のような副詞として‍日常会話などでもよく使われると思います。

 

4年生で学んだのは①の意味での「割合」です。

この場合の「割合」とは「ある数は 基準とする数の何倍であるか」の何倍を表す数であり 表現を変えると「基準とする量を1と見た場合 ある数は いくつにあたるのか を表した数」です。この比べ方なので 値は必然的に「比較値(ある数)÷基準値」となります。

 

5年生で学ぶのは①と②の意味での「割合」です。

①の場合は、4年生で学んだことを さらに発展させて、根本的には同じことなのですが「二つ以上(小学生では大体二つ)の数量が どのような倍数同士で存在しているかを比べて どこかに基準を定めて その基準を1として そこも他も 数で表したもの」という扱い方もしていきます。

その比べ合う数量の どれかに基準がおかれる場合と、それらの数量を合わせた全体に基準がおかれる場合と、があり、その切り替えで混乱する子もいるようです。

 

②の「異種の2量の割合」は、乗法の意味において被乗数である「一つ分の大きさ」です。

一皿に5個ずつのみかん… なども意味的には該当するハズですが、この呼び方で括られる際は、基準となるものの単位が日常生活的な単位(一皿とか一袋とか)ではなく、数学・物理的な単位(1㎢とか1秒とか)の場合のようです。

大概 この時 これらの被乗数には 「速度」や「密度」と言った名前が付きます (それだけよく用いる考え方および値だということでしょう)。

こちらは 大人用の指導書には「異種の2量の割合」とありますが、子供達の教科書には この単元で「割合」という用語は出さず「単位量あたりの大きさ」的な名前となっていることが多いかと思います。(ここの説明でも「割合」という用語が出てくると 子供達はさらに混乱して 割合ギライが加速していくと思うので 親としてはありがたいです!)

 

次回の「おわりに」では、そんな 子供達も「割合」として意識する方である①のうち、5年生の壁の一つである「全体を基準とした割合の表し方」について書きたいと思います。

では 次回は「小学校 算数【5年生】- ②詳細説明」をお届けします。

 

それでは(^^)/