こんにちわ、訪問ありがとうございます!
はじめに
前回「小学校 算数 【4年生】– ①単元と項目」をご紹介しました。
それだけでも 十分かもしれませんが、学習指導要領 公式解説には、なるほど!と思う詳しい内容が沢山載っています。
家庭学習をサポートする上で 知っていて損はないと思いますので、今回の記事では、それらを基に さらなる調査などを追加して 詳細をまとめて、前回ご紹介した項目名に沿って 一覧にして ご紹介します。
これだけで かなりのボリュームになってしまいますので、必要なところだけ読んでいただければと思います。
そして 単元の土台や目的、算数的な小話など、他にも記載したいことが沢山あるのですが、ブログ記事だと さらなるボリュームを追加すると 読みにくくなりますので、それらはnote版PDFの方に載せます。
それでは、「小学校 算数【4年生】– ②詳細説明」、ブログ版は主に項目についてのみですが、見ていきましょう!
小学校 算数 – 4年生の詳細説明 (項目について)

各領域ごとに、前回ご紹介した項目と同順で、各項目の詳細を挙げていきます。

数と計算
数と計算 : 4年生 – 各項目 概要説明
- 日本での取り入れている 大きな位の数の表し方のうち 億と兆を知る、億は 1000万の次に大きい位の数の言い表し方であり 1000万の10倍の数であることを理解する、さらに 兆は 1000億の次に大きい位の数の言い表し方であり 1000億の10倍の数であることを理解する、今まで学習した位と同様に 億や兆も 該当する位の数字を記す位置で書き表せることを理解する
- 日本で使われている命数法(数詞を用いて数を表す方法)では 数の位を表す際に まずは 一・十・百・千をそのまま用い 千より上の位からは 一・十・百・千 を繰り返しながら 4桁ごとに万、億、兆… という新しい単位を取り入れていることを知る、どのような大きな数でも 0~9の10個の数字で 表すことができるという この記数法のよさも理解できるようにする(億や兆 それ以上の位の数などは 漢字表記の方が見やすかったりしますが 表せるという点においては 位取り記数法は無限に可能です、漢字などは対応する位の文字または文字列が決まっていなければ表せません(現在まだそれが決まってないような数はおそらく接することのない数ですが…))
- 日本では大きな位は 一・十・百・千 の4桁を繰り返しながら 新しい単位を組み合わせているが 英語圏では一・十・百 の3桁を繰り返しながら 新しい単位を組み合わせて 大きい数を表すことを知る(1万は英語で ten thousand、直訳すると 十千、日本語としておかしくないように訳すと1万、です)、大きな数の桁を見やすくするために桁区切りのコンマが打たれていることが多いが 英語圏の表し方である 3桁の繰り返しに合わせて 3桁ずつに区切られていることを知る (小学生では桁区切りコンマは存在を知るだけで十分ですが、成長して使うようになった時、日本人の場合は4桁ずつコンマを打っていった方が実は分かりやすいのですが、英語圏の表し方に合わせて 3桁ずつ打つのが 日本の社会でも標準なので、3桁と4桁のカンマをTPOなどで使い分けたりするより、既に日本でも根付き過ぎている3桁標準に慣れてしまうのが 一番楽で早いかと思います)
- 「2位数や3位数÷1位数や2位数」の除法について、まずは除数が1位数の場合で、筆算の仕方に結び付く次の考え方を理解する;①最初は除数(割る数)が1位数の場合で考え方を理解する…72÷3のような「2位数÷1位数」を例に、この場合 まずは 72を70 と2に分け、70 を10 のまとまり7個とみて 7÷3=2あまり1 を計算する(「10 のまとまり」が2個できて 「10のまとまり」が1個あまることを意味している)。次に あまりの10と一の位の2を合わせた12を3で割り12÷3=4 を計算する、先の「10のまとまり」が2個の20と この4を合わせて 72÷3=24 と計算できる、同じ考え方で「3位数÷1位数」になっても計算できることを理解する ②次に除数(割る数)が2位数の場合でも 同じ考え方で計算できることを理解する、ただし除数が2位数になることにより それぞれの位での計算で 各位の商を求めるのに 数の相対的な大きさについての理解をもとに 商の見当を付けていく必要がある(171÷21の場合 十の位の商を求めるのに この計算を10を基準と見ると およそ17÷2 と捉えることができるため 商がおよそ8である と見当を付ける)
- 除法の筆算を用いて これらの考え方で除法の計算が出来ることを知る、筆算を理解した上で 練習して使えるようにする
- 簡単な除法は暗算でできるようにする、除法の筆算での各位(百の位や十の位など)の商の見当付けなどにも暗算を活かせるようにする(※ただし暗算が負担になりすぎないよう、難易度は 48÷2のような 2位数÷1位数で かつ簡単な乗法の逆算になっている程度の除法(48÷2は簡単な乗法14×2=48の逆算) 程度にとどめる)
- 「2位数や3位数÷1位数や2位数」の除法の計算を確実に出来るようにする
- 除法を必要な場合に正しく活用できるようにする、計算する桁数が大きくなっても 3年生で学習した除法が用いられる場合と同様 除法をもととなる乗法「1つ分の数(被乗数)×幾つあるのか・何倍あるのか(乗数)=該当数に当たる総数(積)」の逆算と見て「1つ分の数(被乗数)を求める場合(等分除)」「幾つあるのか(乗数)を求める場合(包含除)」の2つの意味の場合ともに 正しく除法を用いられるようにする、個数や等分数などではなく ある数がもとの数の何倍かに当たるときも もととなる乗法を 「基準量(1つ分の数)×倍(幾つあるのか・何倍あるのか)=比較量(該当数に当たる総数)」と捉えられることを再認識して 逆算の除法で「基準量を求める場合(等分除)」「倍数を求める場合(包含除)」ともに 正しく除法を用いられるようにする、また倍の背後に正比例の関係がある場合(正比例に基づいて 伴って変わる二つの数量がある場合)にも 同じ考え方で 等分除や包含除と見て 基準量や倍数を求められることに気付く
- 「あまり」について 除法の被除数・除数・商・余りの関係を 次の等式の形で表せることを理解する「割られる数(被除数)=割る数(除数)× 商 + あまり」(※ 作成者(40代)が子供だった昭和の頃はあまりは「…」を用いて17÷5=3…2と表しましたが 令和の現在では「あまり」とひらがなで表します(「…」も間違いではない、とも聞きますが、先生の意図によりそうです)。調べると教科書出版社のQ&Aでも理由の質問があり「…」は数学記号(数学的概念を表している記号)ではないからという旨の回答に納得しました。確かに「…」だと一見記号っぽく、他の「数学記号と同様」と誤りやすく、この関係のすべてが「等式」なのだと勘違いしてしまいそうです。数学的な等式であれば A=C、B=CならばA=Bなので 15÷5=3、18÷6=3と 数学記号のみで記述されているこの2式は15÷5=18÷6が成立します。しかし 17÷5=3あまり2、20÷6=3あまり2ですが、数学記号ではない表現が混ざっているこの式で17÷5=20÷6は成立しません。記号だと「他の数学記号の仲間だよねー!」と無意識的に捉えてしまう可能性が高まるので「数学的概念を表す記号ではない」ということを強調するためのひらがな化、といったところでしょうか。)
- 除法で成り立つ次の性質の考え方を理解して 計算に活かす …除数と被除数の両方に同じ数をかけても、または同じ数で割っても、商は変わらない (※この関係を式で表すと a÷b=cのとき (a×m)÷(b×m)=c、(a×n)÷(b×n)=c となります) (※この性質に「あまり」は含まれません。除数と被除数の両方に同じ数をかけても変わらないのは 商だけであり、あまりは変わってしまっています。 あまりを求める際は もとの数式に戻して 除法の意味を考えて、求めた商も用いて もとの除数と被除数から 正しい余りをきちんと求められるようにします (当然もとの除数より小さい数です)。このことは、次の例でも確認できます; a÷b=cあまりdのとき、 先の「a(被除数)=b(除数)×c(商)+d(あまり)」の関係式が成立するので、この両辺を10倍してみます。すると「10×a=10×(b×c+d)=10×b×c+10×d」で あまりも10倍されてしまっているのが分かります。計算をラクにするために被除数と除数に同じ数を掛けて計算しても 求めた商は同じなのでそのまま使えますが あまりはそのまま使えません。) (※この性質で捉え間違えてはいけないのは、除数と被除数の両方に同じ数をかけたり、または同じ数で割ったりすると、もとの数式と違う数式になるが、商は変わらない、というところです。数式は変わっています。 15÷3=150÷30 は等号は成立しますが、両辺は同じ数式ではありません。) (※状況などから数式を立てて性質を使って計算した場合の性質の位置付けにも注意してください。「①状況から数量の関係だけを抜き出して数式に表したら → ②一旦状況抜きにして 数式の操作で数という答えのみ求める → ③そして得られた答えの数を 再び 数学以外の要因も加わった状況へと適用する」、この工程の②のテクニックとして性質が使える、ということで、状況への影響力は何一つないことも理解してください (150個のアメを30人に配ると一人いくつかを求めるために150÷30の式をたて15÷3としてラクに計算しても、アメが15個に減ってしまうわけではないことをしっかり理解してください)) (※被除数だけに ある数をかける、またはある数で割った場合、商も もとの商にある数がかかる またはある数で割った数 となる((a×m)÷b =c×m、(a÷m)÷b=c÷m)などの性質も除法で成り立つ性質ですが、扱うかどうかは 先生や学校などに任されています。)
- ある量の何倍かを表すのに小数を用いてもよいことを知る、小数で表す倍数の意味を理解する(10mは4mを1とすると2.5 に当たるので これを2.5倍の意味することとして捉えられるようにする)、これまでに学習した整数倍と別物として捉えず 意味が矛盾なく繋がっていることを理解する、小数は整数同様 量を表すだけでなく 倍を表す場合があることを理解する
- 3年生で学習した 一の位の1単位(=1)の大きさの1/10である数の単位 0.1 と同じ考え方で 一の位の1単位の 1/100や1/1000である 0.01や0.001を知る、これらの単位を用いて 1/10の単位に満たない大きさを表せることを理解する、位取りの仕組みから「1/100の位」を理解して「小数第2位」という呼び方も知る、小数の各位も 整数の各位と同じ仕組みで表されていることの理解を深める(※整数と同じ十進位取り記数法のルールに沿っている)
- 小数でも 数の相対的な大きさについて 理解を深める ( 0.1や 0.01を単位として もとの数の大きさを捉えた場合 いくつ分になるのか を理解する(1.68 は0.01 が168 集まった数という見方)、このような捉え方を養い小数の理解を深め 小数の大きさの比較や計算に活かす
- 1/100や1/1000の位までに範囲を広げて 小数の加法・減法の計算を行う、計算は 小数の仕組みを理解した上で 小数点を揃えること 必要な空位を0と考えること 整数と同じ原理・手順で 位ごとに計算できること の理解を深める
- まずは 乗数や除数が整数の場合について 小数の乗法・除法の計算の意味を理解する (つまり 小数×整数、小数÷整数、および 整数÷整数=小数の場合):<乗法の場合> 乗法の意味である「 一つ分の大きさ(被乗数) × 幾つ分か・何倍か(乗数) = 該当数分に当たる大きさ(積)」において 被乗数である「一つ分の大きさ」が小数になっても その小数が幾つ分か (何回足すか または 何倍あるかという考え方で計算できる) と捉えて この考え方で この式がそのまま使えることを理解する、乗数には「幾つ分か」 即ち「何回足すか(累加:0.1×3=0.1+ 0.1+ 0.1)」と、「何倍か」即ち「一つ分の大きさの何倍になるか(基準の大きさに対する該当数分の大きさ:基準1に対しての大きさが0.1なら 3に対しての大きさは0.1×3)」という捉え方があるが、どちらの場合も 被乗数が小数でも 意味を捉えて計算できるようにする <除法の場合> 除法を乗法の逆として見た際に 被乗数と乗数のどちらを求めるのかで分かれる除法の二つの意味「①一つ分の大きさ(商(もとの被乗数))を求める場合:該当数分または該当倍の際に当たる大きさ(被除数(もとの積))÷幾つ分または何倍なのか(除数(もとの乗数))」「②幾つ分または何倍なのか(商(もとの乗数))を求める場合:該当数分または該当倍の際に当たる大きさ(被除数(もとの積))÷ 一つ分の大きさ(除数(もとの被乗数))」で ①②どちらにおいても 被除数が小数になっても あるいは 商が小数になる場合も この考え方で この式がそのまま使えることを理解する (※ ①は整数の場合の等分除(等分数で除する) ②は整数の場合の包含除(包含数で除する) です。)、除法②(整数の場合の包含除)において「②幾つ分または何倍なのか(商)=該当数分または該当倍の際に当たる大きさ(被除数)÷ 一つ分の大きさ(除数)=a÷b」として 3年生では 商の意味を「数量aは数量b の幾つ分であるか」と捉えたが この意味を拡張して商を「bを1とみたときに aは幾つに当たるか(即ち「割合」)」とも捉え直せるようにした上で 商やaが小数の場合も含めて 意味を捉えられるようにする (※乗数や除数の方が小数になる場合、即ち「小数を掛ける」「小数で割る」は5年生で学習します(4年生での除法②の商が小数になる場合は その対になる乗法の意味するところは 実質は小数倍ということですが、意味を含めて正式に学習するのは5年生です))
- 乗数や除数は整数の 小数の乗法や除法は 乗法の積や 除法の商の 小数点の位置などを 整数の場合と比べながら 数を構成する単位に着目して 計算の方法を考えられるようにする(1.2×4の場合 1.2は0.1を単位としてみると12個分なので 12×4で0.1が48個分と考えて計算して その積を 1を単位として場合と比べて考えて 小数点をうち 本当の積を求める、31.6÷4の場合 31.6は0.1を単位としてみると316個分なので 316÷4で0.1が79 個分と考えて計算して その商を 1を単位として場合と比べて考えて 小数点をうち 本当の商を求める、などと考えて計算する)、また 乗法の「数を1ではなく10を単位(1まとまり)として捉えることにより 被乗数を10倍すると積も10倍になるという性質」や 除法の「除数と被除数の両方に同じ数をかけても、または同じ数で割っても、商は変わらないという性質」と関連付けて 乗数や除数は整数の 小数の計算について 計算方法を考えられるようする、計算の考え方を理解した上で 筆算での小数点の打ち方も含めて これらの計算が出来るようにする(※乗法の「数を1ではなく10を単位(1まとまり)として捉えることにより 被乗数を10倍すると積も10倍になるという性質」は3年生で学習しましたが、あくまでも、「数を1ではないまとまりとして捉える見方」 によるものです。等式の性質としての乗法の性質「a=bならばac=bc」の学習は中学1年生です。)
- 1/2と2/4などの簡単な場合を例に、表し方が違っても大きさの等しい分数があることを知る (数直線上で位置が等しいということを知る 程度でよい)(※通分を通した比較は5年生です)
- 同分母の場合の 分数の加法・減法について、単位分数(1/3などの分子が1の分数)の個数に着目することにより 整数の場合と同様に考えられることを理解する、この考え方で 和が1より大きくなる場合も 同分母の場合の分数の加法・減法が計算できるようにする(分子が大きくなっても単位分数の大きさは変わらず その幾つ分かという考え方であることは変わらない ことをよく理解する、3/5+4/5は1/5 が7個あるので 7/5であり、 四角などを五等分して塗った3/5と4/5を表す図などを隣同士に書いて 全体を見て7/10と間違えたりせず、その場合でも どの大きさが1であり1/5であるかに変わりはないことを よく理解する)、真分数・仮分数・帯分数での表記を知り それぞれの表し方に変換できるようにする、計算途中や計算後において その都度で 利便性の高い表し方を 使い分けられるようにする (※ 真分数:分子が分母より小さい分数(1/2、3/5 など)、仮分数:分子と分母が等しいか 分子が分母より大きい分数(2/2、7/5など)、帯分数:整数と真分数を合わせた形の分数(1 2/5 など))(※ 真分数や仮分数で表すと 計算が進めやすい場合が多い、1より大きい仮分数は 帯分数で表すと 大きさが捉えやすくなる)
- ぴったりと正しい数字である正確な数と違い、およその数である概数という考え方・表し方があることを知る
- 概数が用いられる 主な場合として 次のような例を知り 概数が使われる目的を明確に理解する;①詳しい数値が分かっていても、概数表記の方が掴みやすい場合など(野球場の入場者数を約何万何千人と伝える など) ②グラフ化して表す際 グラフ化の目的に応じた概数と目盛りで表す など(都市の人口を棒グラフを用いて比較する など) ③真の値を把握することが難しく 概数で代用する場合など(ある時点での日本の人口 など)、その目的に合った詳しさにするための用い方 があることを理解する
- 概数に丸める簡単な方法として 切り捨て(ある位の単位未満の位を処理して その位の概数にする場合に その位の一つ下の位の数が0でなければ切り捨てるという方法)・切り上げ(先と同様の場合に一つ下の位の数が0でなければ繰り上げて その位の数を一つ上の数字にするという方法)を知り 理解する
- 概数に丸める場合に最も広く用いられる四捨五入という方法があることを知る、四捨五入の具体的な方法を知り理解する(ある位の単位未満の位を処理して その位の概数にする場合に その位の一つ下の位の数が4以下なら切り捨て 5以上なら切り上げるという方法、実際の測定で目盛りと目盛りの間の数量を最も近い目盛りで読み取るという考えにも通ずるところがあります)、数直線などで実際に万の位などの大きな数を概数にして位置を確かめることなどを通して 概数にしても数が大きさが大きく変わらないことを実感する、また 「未満」「以下」「以上」という用語もここで正しく覚えて理解する (以下の 四つのセットになる日本語表現のうち ①~③ の日本語を算数でも使いこなせるようにします;①「未満」:境界点より下・境界点は含まず(5未満:5を含まず 5より小さい数を表す) ②「以下」:境界点より下・境界点も含む (5以下:5と同じか 5より小さい数を表す) ③ 「以上」:境界点より上・境界点も含む (5以上:5と同じか 5より大きい数を表す) ④「超過」:境界点より上・境界点は含まず(5超過:5を含まず 5より大きい数を表す) (※④「超過」は空港の荷物重量の指示などで見かけます。小学校では習いませんが、全体を捉えた方が理解しやすいタイプの子の場合、この言葉もあるということを知っていた方が掴みやすくなるかもしれません)
- 目的に応じて四則計算(加法・減法・乗法・除法のこと)の結果を見積り 和・差・積・商を概数で見積もれるようにする(簡単な計算は暗算で行い 暗算を見積もりにも生かせるようにもする)、何のために概数にする前に見積もるのか その目的を明らかにした上で ねらいに応じた詳しさや 必要な範囲内での詳しさ の概数にしたり 必要に応じて 四捨五入ではなく切り捨てや切り上げを用いて 小さく見積もったり 大きく見積もったりを 正しく使い分けられるようにする、また 「和・差・積・商」という用語もここで正しく覚えて理解する… 和:足し算(加法)の結果 差:引き算(減法)の結果 積:掛け算(乗法)の結果 商:割り算(除法)の結果 (※加法・減法・乗法・除法という用語は中学生で学習します)
- 式は 数量やその関係を 簡潔かつ的確に表すことができる 数学的な表現方法であることを再認識した上で 次のことを確実に理解する; ① 一つのかたまりを表すのに( )を用いる ② 乗法・除法を用いて表された式も 一つのかたまりを表したりする、これらから 計算順序の決まりとして 次のことも理解する; ③ ( )の中を先に計算すること ④ 乗法・除法を加法・減法よりも先に計算すること、 いろいろな状況を式に表したり、式から状況などを読み取ったりすることを通して()や乗法・除法のかたまりとしての意味や計算順序への理解を深める、( )を用いたり四則を混合させたりして一つの式として表すと 数量の関係を簡潔に表すことができる などと言ったよさがあることを理解した上で このように一つの式に表せるようにする
- 「公式」について次のことを理解して 適切に用いれるようにする; ①「公式」は 数量の関係を 簡潔に一般化させて 言葉で表したものである ②つまり「公式」は どんな数値に対しても成り立つ一般的な関係である ③よって そこには いろいろな数が当てはまる、ということを理解して 「公式」を用いる、 公式として4年生の【図形】領域で取り上げられている「面積の公式」などの学習を通して これらの理解と実感を深める;例)「(長方形の面積)=(縦)×(横)(又は(横)×(縦))」この公式を通して → ・(縦)と(横)から(面積)が求められるという見方が出来るようにする ・(面積)と(横)から(縦)を求めることもできるという見方も出来るようにする ・面積を求めるには縦と横の長さを知ればよいといった数量の依存関係を読み取れるようにする ・縦が10㎝のとき 横が1㎝,2㎝,3㎝,…と1㎝ずつ増えると 面積は10㎠ずつ増えるといった関数関係を表しているという見方もできるようにする
- 変量(定まった固定の値ではなく 未知の値や 様々な値を取り得る値)を□・△などの記号を用いて表し その関係を式に表せるようにする(3年生までは変量と意識した上で記号化して扱うのは一つ(□)のみ)、□・△などの記号にはいろいろな数が当てはまることを理解する、しかし決まった関係に基づいた□と△はバラバラに値を決められはせず □か△の一方の大きさが決まると それに伴って もう一方の大きさも決まる関係であるということも理解する(□の値が決まれば△の値も決まる時 △は□の関数であると言えます、【変化と関係】の領域に直結します)、【図形】領域の学習などとも関連させて 数量を□・△などを用いて表す および□・△に数を当てはめて調べる 等の活動を通して これらのことを実感する;例) 正方形の一辺の長さを□・周りの長さを△とすると その関係は□×4=△と簡潔で一般的に表せる、□と△はいろいろな数が当てはまるが、バラバラには決めらず、□が決まれば△も決まる、また ○・△・□などの記号を用いた式は 四則に関して成り立つ性質についてまとめたりする場合にも活用できることを知る(この際は左辺・右辺ともにすべての値が変量のみの表現なので 一つの大きさが決まると 他の大きさも決まるという関係ではない)、「同じ記号には 同じ数を入れる」という約束の基での表現であることを知る、このように記号を用いると 数量の関係や計算の法則を簡潔・明瞭・的確で かつ一般化して表すことが出来る というよさに気付く
- 計算に関して重要な ①交換法則 ②結合法則 ③分配法則の 3つの性質について 3年生まででは 部分的に 考え方が成り立つことの理解にとどめていたが それらを ○・△・□などの文字を使って一般化して表す、一般化して表すことで 改めて整理して 法則として捉えなおし 理解を深める(※小学校の教科書では「法則」ではなく「きまり」と表現されている場合も多いです) … ①交換法則(加法と乗法) a+b=b+a、a×b=b×a ②分配法則(加法・減法と乗法) a×(b±c)=a×b±a×c、(a±b)×c=a×c±b×c ③結合法則(加法と乗法) (a+b)+c=a+(b+c)、(a×b)×c=a×(b×c) (※文字を使った式は6年生の学習内容ですが、大人は記号より文字の方が捉えやすいと思い 文字で記載しました。5年生までの小学生をサポートする際は a・b・cを○・△・□などに置き換えてください。)
- そろばんによる数の表し方の理解を深め、億や兆 および小数は1/100 の単位までの数を表す
- 2位数の整数の加法・減法の計算の計算の仕方を理解する、そろばんを用いた加法・減法の仕方への理解を深める
- 億や兆などの大きな数や 1/100の位までの小数の 簡単な 加法・減法((2億+5億や0.34+0.05など)の計算の仕方を理解する、そろばんを用いた加法・減法の仕方への理解を深める
図形
図形 : 4年生 – 各項目 概要説明
- 一つの頂点から出る2本の辺が作る形を角ということを知る、頂点を中心にして1本の辺を回転させた際 その回転の大きさを 角の大きさと捉えることができるようにする、角の大きさを 辺の開き具合として捉えることができるようにする、図形の辺の長さの大小と 角の大きさの大小とを 混同せず それぞれ別物として捉える
- 角の大きさも1~3年生までの【測定】領域で学習してきた量と同様に 基本となる単位(この大きさを1とするという単位)を用いて大きさを数値化できること を理解する、その基本単位はすでに世界共通で使える単位が定められていること(普遍単位があること)を理解する、角の大きさの一般的な普遍単位である度(°)を知る(※角の大きさの普遍単位には他にも専門的なラジアン などがあります)
- 分度器を用いて 図形の角の大きさを測定できるようにする 、直角の大きさが90度・半回転した大きさは180度・1回転した大きさが360度であることを知る、直角の大きさを基準として角の大きさを判断したり 「90度より小さい」や「180度より大きく270 度より小さい」などの捉え方で角度の見当付けを行うことなどを通して 角の大きさについての感覚を培う、図形の角の大きさの測定や 指示された角の大きさの作図 などの活動を通して 分度器の使い方に慣れる
- 2本の直線の関係である垂直と平行について まず次の約束事を知り 理解する;①「垂直」:二つの直線が直角に交わっているとき,この二つの直線は垂直であるという ②「平行」:一つの直線に垂直な二つの直線があるとき,この二つの直線は平行であるという 平行は上記の約束を基に「平行な二つの直線は どこまでいっても交わらない」「平行な二つの直線の幅は どこでも等しい」という性質があることを理解する、よって「二つの直線がどこまでいっても交わらないとき この二つの直線は平行である」とも約束することができることを理解する(※平行についてこちらの約束を先に知っても「どこまでも」交わらないことを実際に確認することは不可能なので、実際に確認操作が行える最初の約束を先に理解する(一つの直線に対して同じ角度を作る二つの直線は平行であり 4年生では垂直すなわち直角で確認しますが 何度でも構いません、平行な二直線が作る同位角は等しい という中学2年生の内容を直角だけで先取りした内容ですね、もちろん教科書や先生により角度の方を先に学習していれば直角以外でも確認できます))、垂直や平行は二直線の「位置関係」を表す言葉であることを理解して 垂直については形としての直角とは異なることも理解する、日常生活の中には 垂直や平行な二直線が 数多くあることを知る
- 向かい合った一組の辺が平行な四角形を台形、向かい合った二組の辺が平行な四角形を平行四辺形、四つの辺の長さが等しい四角形をひし形、ということを知る、直線の位置関係や辺の長さに着目することで 台形・平行四辺形・ひし形を区別して 図形の置き方をいろいろと変えても 判断できるようにする、各々の四角形の性質について理解する; ①平行四辺形:向かい合う辺の長さが等しい、向かい合う角の大きさが等しい など ②ひし形:二組の向かい合う角がそれぞれ等しい、 四角形の場合の向かい合う頂点を結んでできる直線を対角線ということを知る(正式には多角形の隣り合わない二つの頂点を結ぶ直線)、各々の四角形の対角線に関係する性質について着目して理解できるようにする;①平行四辺形:2本の対角線が互いに二等分されること ②ひし形:2本の対角線が互いに垂直に交わること・互いに二等分されること、ひし形は 平行四辺形の性質を全て備えている四角形であることにも着目できるようにする
- 平行四辺形・ひし形・台形を敷き詰める操作などを行い、これらの図形で平面を埋め尽くせることに気付いたり、敷き詰めた図形の中から 他の図形を見つけ出したり 平行線や角同士の関係に気付いたりする、これらの操作や気付きを通して図形についての見方や感覚を豊かにする、様々な色やデザイン的な工夫をすることで 図形の美しさにも触れる
- 直方体は 六つの長方形 または 二つの正方形と四つの長方形 で囲まれた立体図形であると知る、立方体は 六つの正方形で囲まれた立体図形であると知る、直方体や立方体は 既に学習しており馴染みある平面図形である長方形ないし正方形で構成されていることを理解する、立体に対して 改めて平面というものを理解する
- 直方体(および立方体)の辺や面で 直線や平面の 垂直や平行 の次の関係を理解する;①辺と辺:12本の辺のうち 一つの頂点に集まる三つの辺が互いに垂直であることや 4本ずつ三組の辺がそれぞれ平行になること など ②辺と面:一つの辺に対して 二つの面が垂直であることや 二つの面が平行であることなど ③面と面:隣り合う面は垂直になることや、向かい合う面は平行になること など (※次の関係は中学1年生の内容になります(気付けばすごいです^^!);①’辺と辺:辺と辺で 平行ではないが交わらない関係になるものがある(ねじれの関係) など ②’辺と面: 一つの辺に対して 垂直にも平行にもならない 残りの二つの面については 辺が平面に含まれること(同じ平面上) ③’面と面:直方体ないし立方体では 面と面は垂直か平行の関係にしかなり得ないこと(平面と平面の関係には交わらない場合と交わる場合があり 交わる場合の特別な場合が垂直) など )
- 立体図形を平面上に表現するための方法である 見取図と展開図を知る、見取図や展開図と平面図形との関連を捉える、一つの立体図形から 幾つかの展開図を描けるようにする、また 展開図からできあがる立体図形を想像できるようにする
- 面積とは 面の大きさである「広さ」を表す量 であることを知る (※面積の正式な定義は非常に難しく 大学の内容となりますが、小学生どころか 大人でも、専門家でなければ このくらいの定義で十分かと思います)、 図形の広さも 長さやかさなどの量と同様に 基準となる単位幾つ分がとして 数値化できることを理解して その利便性を感じる、単位とする大きさとして一辺1㎝の正方形の面積などを用いると便利であることも理解する
- 面積は 1~3年生の【測定】領域で学習してきた長さやかさなどと違い 計器を用いて直接測定するのではなく「計器で測定した辺の長さなどを用いて 計算によって求める」ことを知る
- 面積の組立単位である平方メートル(m²)と、もととなる長さの基本単位メートルに接頭語 センチおよびやキロ がついて面積の単位に組立てられた平方センチメートル(cm²)や平方キロメートル(km²)を知る、これらの違いを これらの面積を構成している縦横の長さの状態の違いとともに 理解する、センチやキロなどの接頭語は 組立てられた後の面積の単位ではなく もととなる長さの単位に付いているので(接頭語が付いた状態で一グループの単位であるという国際的なルールであり 面積の単位はそれ全体が2回かかっている組立単位) 面積計算をする前に長さの単位を揃える必要があることを理解する、また 同様の理由で 違う接頭語がついた面積単位への換算の際には 接頭語が表す倍数を2回掛ける(ないし割る)必要があることに注意して 換算できるようにする(キロは1000を表すので 1000000m²=1000m×1000m=1km×1km=1km²)、面積を求めたい対象の広さに応じた利便性で使い分けられるようにする(平方センチメートル(cm²)は画用紙の面積なら問題ないが 体育館の広さだと値が大きくなりすぎて扱いづらいので平方メートル(m²)を用いて表す など)
- つまり図形の面積は 単位面積となる基本正方形の数を数えると求められることを理解した上で 長方形・正方形の面積は 単位となる正方形を敷き詰めて その個数を求めればよいことを理解する、そこから 長方形・正方形は 単位正方形が規則正しく並んでいるので 乗法を用いると 手際よくその個数を求められることを理解する、つまり 縦・横の長さを測定してそれらの乗法計算をすれば求められる ということを理解する、そこから面積の公式「長方形の面積=縦×横(横×縦)」「正方形の面積=1辺×1辺」を理解する (※別物なのではなく、どちらも「縦の長さ×横の長さ」であり、正方形は値が「縦=横=1辺」なのでこうなる ということも理解する)、公式と具体的な図を併用させて 長方形の辺の長さが2倍や3倍になるときの面積の変化を考える などの活動を通して 公式を暗記ではなく その意味の理解を深めたり 図形の周りの長さと 面積 の違いを 実感を伴いながら理解を深める(※長方形の外周と面積を混同してしまう子は多いみたいです)
- 面積の単位として もう一つ アール(a) および そこに接頭語 ヘクト(=100)がついた場合の状態を由来とした ヘクタール(ha)について知る (※読み方はヘクトアールではなくヘクタールです(リエゾンですね(リエゾンとはアイアムがアイムとなるあの英語の発音連結です)) (※ヘクタールは正式に「国際単位と併用可能な単位」の位置づけですが、歴史的には基となるアールは 現在では「国際単位」でも「併用可能な単位」でもないようです。でも広さの状況によっては 表しやすくて便利みたいなので 現在でも使われる業界など 普通にあるようです。(国際的な場などで必要になったら その際だけ換算すればいいだけですからね。慣れ・浸透済 というのはとても強い力です。)) (※a(アール)は基本単位相当なので(かさの単位Lも)、そこについた接頭語を数字に戻して換算する際は「接頭語が表す数字そのもの」となります(aにもLにも指数が付いていませんね!)。対して基本単位mの組立単位である面積単位m²についた接頭語を 数字に戻して換算する際は 接頭語が表す数字を「組立で掛け合わせた回数で “べき乗倍” 」する必要がありましたね(詳細は上記)。)
- 平面上 および 空間内 にあるもの(点など)の位置の表し方について 次のことを理解する;①平面上の位置:基準点と 横・縦 の二つの要素が必要となる、表し方として 例えば運動場などの平面で 今いる場所から 横に3m・縦に4m進んだ位置を (横3m、縦4m) のように表せる ②空間内の位置:基準点と 横・縦・高さの三つの要素が必要となる、表し方として 例えば教室などの空間で 今いる場所から 横に3m・縦に4m・高さ2mの位置に 飾りがあるとしたら(天井からつり下がってるなど) 飾りの位置を(横3m、縦4m、高さ2m)のように表せる (※xy平面とxyz空間の違いで、その土台づくりと言えます。ちなみに基準点が原点ですね。xy平面座標は中学1年生、xyz空間座標は高校数学の内容となります。)
測定
測定 (1-3年生) : 4年生 – 各項目 概要説明
変化と関係
変化と関係 (4-6年生) : 4年生 – 各項目 概要説明
- 何と何が 伴って変わる二つの数量であり、一方がどう変わると もう一方はどう変化しているのか を正しく見つけ出す
- 同じ変化関係に基づいて 伴って変化する値の様子を 表・式・折れ線グラフで 次のように表せるようにする;①-1)表に表す:二つの変化する数量の 実際の対応する値の組を 幾つか求めて、変化の様子を 順序よく並べて整理して記す ①-2) 表から読み取る:表の数値の間の関係をみて 一方の数量が増加するときの 他方の数量の増減の様子を具体的に掴められるようにする(一方がこう変わると もう一方はこう変わる、と具体的に文章にして掴めるようにする(1個10円のアメを買う時の個数と値段なら、アメの数が1増えるごとに代金は10増える、など)) / ②-1)式に表す:表から 変化の様子を □・△などを用いた式に表す(変量を□・△などの記号で表す) ②-2)式から読み取る:□・△などの記号で変化関係を表された式から、数量の関係の特徴を読み取る(□・△などに 複数の数を当てはめた結果を整理して表に表したり、記号ではなく言葉の式で数量の関係を表したり できるようにする(アメの値段×買う個数=代金)) / ③-1)折れ線グラフに表す:伴って変化する二つの数量について 一方をグラフの横軸・もう一方を縦軸にとり 対応する値の組を点で示し 点と点をつなぎ 部分の変化や全体の変化の様子を示す ③-2)折れ線グラフから読み取る:各部分や 全体の折れ線の傾きから 一方の数量が増加するときの 他方の数量の増減の様子や 変化や対応の特徴を読み取る
- 割合とは 二つ以上の数量(小学生は二つ)を比べるとき、どこかに基準をおき(まずは比べ合いたいものの一方) 比較したい値(もう一方)が 基準値の何倍か で表す比べ方、およびその値であることを理解する、また この比べ方なので 値は必然的に「比較値÷基準値の商」となることも理解する、つまり割合とは「ある数は 基準とする数の何倍であるか」の何倍を表す数であり 表現を変えると「基準とする量を1と見た場合 ある数はいくつにあたるかを表した数」であることを理解する
- ある 二つの数量 の関係(例えばAとB)と、別の 二つの数量 の関係(例えばCとD)とを比べる場合に、AとB、CとDの数量間の比べ方には大きく分けて 差でみる場合(AとB・CとDの数量間の差を比べる)と 割合でみる(AとB・CとDの数量間の乗法的な関係をそれぞれみて その関係同士を比べる)場合があることを知る
- 簡単な場合について 割合を用いて比べることを 練習を通して実感して理解する(※ここでの簡単な場合とは 比べ合うAとB、CとDの変化関係が どちらも比例定数が整数になる比例関係が背後にある場合:例1)よく伸びるゴムひも①・②があり「ゴムひも①:100㎝(A)→200㎝(B)・ゴムひも②:50㎝(C)→150㎝(D)」まで伸びる場合 どちらがよく伸びますか 例2)お菓子屋さんの値上げで「クッキー:1個100円(A)→200円(B)・チョコ :1個50円(C)→150円(D)」に値上がりした場合 どちらがより多く値上がりしましたか、など) (※ただし例2)のお菓子の場合は、もとだろうと 値上げ後だろうと 、合計値段自体も「合計値段=単価×個数」という比例関係になります。変化についての比例関係を捉えることは、比例関係に基づき個数から求められた合計値段を、さらに値上げ前後という変化関係の比例で捉えることになります。内部に比例関係を含む値同士を さらなる比例関係で捉える、となると、注目すべき比例関係の切り替え必要となるので 例1)のゴムひもより 背後にある比例関係を感じるのは難しくなり、全体的に捉えにくくなるかと思います。)
データの活用
データの活用 : 4年生 – 各項目 概要説明
- 日時や場所などの身近なことに関連させられることから二つ 観点(何が知りたいか)を定めて 分類する項目を選び 項目に沿ってデータを正しく分類整理する、二つの観点A・Bとして データを集めて分類整理する際に 知りたいことの目的に応じ A・Bそれぞれの観点から 起こり得る場合を分類して 適切な項目を決める (※ 例)各学年、各クラス、好きな給食が回答されたアンケート用紙を整理して、学年ごとに好きな給食を知りたかったら観点には学年・好きな給食を選び、項目はそれぞれ1年生、2年生、…と カレー、ハンバーグ、魚フライ…などが挙がる )
- A・Bの二つの観点からデータを調べるとき、観点Aからみたデータの性質(つまり項目名a1,a2,a3…)と観点Bからみたデータの性質(つまり項目名b1,b2,b3…)の組み合わせを考えられるようにする、また組み合わせを分かりやすく表にまとめられるようにする (※ 各項目名2つずつ、組み合わせパターン4つから練習していきます – 例)クラス内でケーキとポテトチップスの人気具合を調べるためにアンケートを行いました。集計の際の二つの観点は次になります 観点A:お菓子の種類(ケーキ、ポテチ)、観点B:好きかどうか(好き、好きではない)、好みのパターンは次の4パターンになります(ケーキもポテチも好き・ケーキは好きだがポテチは好きではない・ケーキは好きではないがポテチは好き・ケーキもポテチも好きではない))、練習を通して 二つの観点から物事を分類整理すること 論理的に起こり得る場合を調べることや 下記の落ちや重なりがないようにまとめたり考えたりすることもできるようにしていく
- データや資料を調べるときに、落ちや重なりがないように整理したり まとめたりする方法を 次などのように考える; ①データの読み飛ばしのないように順序よく数える ②あらかじめ起こり得る場合を整理する ③数え間違いをなくす方法を考える(重複して数えることを防止するため 数えたデータに色や印を付けることなど)、これらのことは 機械的に行うのではなく 正しい結果が得られるようにするために 間違いを防ぐのだという 考え方と姿勢を育む
- 時系列などで連続的に変化していく量をグラフ化する際に よく用いられるグラフである「折れ線」を知る、主に横軸に年や月といった時間 縦軸にデータ量をとり それぞれのデータを線で結んで 変化を表すグラフであることを理解する、線が右上がりならその期間はデータが増加(上昇) 右下がりならデータが減少(下降)していることになるので データの増減を見るのに適していることや 折れ線グラフの傾きから 変化の大きさを読み取ることができるという特徴を知る
- 折れ線グラフの目盛り幅の違いを理解する、同じグラフであっても 縦横の軸の幅を変えることなどによって 見え方が異なることに気付く、目的に応じた見やすさや分かりやすさ 用紙の大きさなどの状況 などに応じて 適切な目盛り幅や グラフ自体の大きさを使い分けられるようにする
- 一つの同じ観点で作成した複数の折れ線グラフを組み合わせたグラフに触れる(※例:A町とB町の月別平均気温を同じ折れ線グラフ内にまとめる、など) (※同一観点・複数系列のグラフです。) (※ 系列は A町のデータやB町のデータ、です。)
- 二つの異なる観点で作成した折れ線グラフと棒グラフを組み合わせたグラフに触れる(※A町の月別平均気温と月別降水量を 前者は折れ線グラフ 後者は棒グラフにして同じグラフ内にまとめる、など)(※複数観点・複数系列のグラフです。) (※観点は平均気温と降水量、系列はA町の月別平均気温と月別降水量です。観点が二つなので、横軸に月をとれば 縦軸は2種の意味が必要になります(第2軸が必要です)。)
おわりに
以上で、4年生算数の各項目についての詳細説明は終了です。
前回の「おわりに」で触れた『「割合」という言葉の使われ方』について、もう少し詳しく触れていきます。
「割合」とは一体何なのか、イマイチ掴みきれない…(TT)、そのように悩む子供は結構いるかと思います。
それもそのハズ、そもそもこの言葉、一点に絞った意味のみで使われているわけではありません。
そして、そのことがあまり知られておらず、多くの子供達が「意味は一つだけど、自分がまだそれを理解できていないだけだから、頑張って その一つの意味を掴もう」としてしまい、混乱してしまうのではないかと思います。
「割合」は 算数用語としての意味と 日常語としての意味が サラッと混在しています。
もちろんどちらもコアイメージは同じであり「比べた結果とか 比率のこととか」的なことを意味しています。
一般的な日常語として その辺りの意味を幅広くカバーしている傍らで、算数用語として その中からピンポイントに的を絞った意味を表す言葉として働いています。
「割合」は、概ね次の3通りの使われ方が多いかと思います:
「割合」という言葉の用いられ方
- Aを何倍するとBになるかの 何倍という数。この時 AとBは同種。
- もとの数をA倍するとBになるときの もとの数。この時 AとBは異種。
- 比べた結果の関係、つまり 比のこと。この意味の名詞として、および「比べたら~」のような副詞として日常会話などでもよく使われると思います。
算数用語・日常用語と言いつつも、使われる場面が明確に線引きされているわけではなく、①の算数用語は この意味で日常でも使われるときがありますし、③の日常用語は、算数・数学ではこれは「比」と言うのですが、しかし この意味で算数・数学でも使われるときがあるかと思います。
もともと一点集中ではない意味を、一点として捉えようとすると、捉えられないのは当然です。
この状況は「巻く」という単語と似ているかと思います。 (似ているのは状況で、意味は似ていません。)
日常語として「くるくる丸める」的なことを 幅広く意味する傍ら、放送業界では、その中から フィルムを急いで巻くことより転じたと思われる「早く進める・急いで進める」に的を絞った意味を表しています(由来は諸説ありでした)。
では放送業界の現場では「巻く」を使うのは 業界用語としての意味一択なのかというと、そんなことないであろうと 容易に想像できます。(ケーブルとか 資材を束ねてた紐とか、一般人の日常生活より 普通に「巻く」ものも多そうなので。)
放送業界の人々は 業界用語の「巻く」と 日常語の「巻く」を、状況に応じて 瞬時に使い分けているのでしょう。
そのような使い分けを可能にするためには『そもそも「巻く」という言葉の使われ方は常に同じではない』ことを きちんと認識していないといけません (無意識だとしても)。
4年生で学ぶ「割合」の意味は①の算数用語で、「巻く」の例だと業界用語側です。
「比べた結果とか 比率のこととか」的な意味で「割合」という言葉が出てきたら③の日常語です、普通の「巻く」です。
4年生だと まだ①しか出てこないので、混乱も少ないかもしれませんが、6年生になり比を学ぶ際に、その説明中に「割合」という言葉が出てきて 混乱してしまう子がいますが、この時の「割合」は③です。
6年生まで進まなくても、日常生活の中で「醤油と酢の割合は~」などの話になったりすると、学校で習った「割合」の意味だと辻褄が合わなく 「自分は割合を分かっていない」と思ってしまうでしょう。
「割合」が「巻く」のように 意味が混在している言葉であることを知っていれば、深く考えずに 使い分ければいいだけです。
このことが もっと知れ渡っていれば、そもそも一つではない意味を 一つのみで捉えようとして「分からない、苦手…」と感じてしまうような、持つ必要のない苦手意識を持ってしまう子が、少しでも減るのではないかと思います。
※ちなみに②の算数用語「異種の2量の割合」についてですが、これも この語中の「割合」は①と同意ではなく、「異種の2量の割合」というまとまりで一語であり ①とは別物、と捉えた方が掴みやすいかと思います。(算数用語としての①②の二つは、まず「割って求まる数は みんな割合」くらいで大きく捉えて、割って求まる数の意味を 割り算 即ち除法、の逆算の乗法の意味で考えると ①は乗数、②は被乗数です。つまり①②は包含除なのか等分除なのかの違いです。) こちらは大人向けの指導書には この言葉で書かれていますが、子供達の教科書等では「単位量あたりの大きさ」などとなっていることが多いので、子供達はあまり「これも一種の割合なのか?」とは悩まないと思います。(5年生の学習内容です。)
以上、「割合」という言葉の使われ方についての考察でした。
このような言葉の意味の混在状態を知れば、理解の大きな一助にはなれるかと思いますが、内容もやっぱり、子供達にとっては 難しいですけどね。
そんな「割合」の内容、こちらが本格的に牙を向いてくるのは 次の5年生になります。
では 次回は 「小学校 算数【5年生】– ①単元と項目」へと進みます。
〇 「割合」について 次の論文を参考にしました ;
それでは(^^)/