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はじめに
以前の記事「小学校算数3年生の単元と項目」で内容一覧を、具体的には『 内容領域ごとの「単元名」「項目名」』をご紹介しました。

それだけでも十分かもしれませんが、学習指導要領 公式解説には、なるほど!と思う詳しい内容が沢山載っています。
家庭学習をサポートする上で、知っていて損はないと思います。よって、公式解説を基にまとめた「項目の詳細説明」を、上記でご紹介した「項目名」に沿って 一覧にして ご紹介しています。
一度にご紹介するとボリュームが多くなりすぎますので、領域ごとに記事を分けています。それでは今回は詳細3領域目、「小学校算数3年生の項目詳細【測定】」です、見ていきましょう!
【測定】領域について

【測定】領域では、算数や数学の基本となる「数・量・図形」のうち、「量」について学びます。
3年生の単元一覧
3年生で学習する【測定】領域の単元は、以下になります;
【測定】 – 単元一覧 :3年生
各単元の項目詳細
以下より、算数3年生の【測定】領域中の単元「量の単位と測定」「時刻と時間」の各項目について、詳細を どんどん ご紹介していきます!
- 単元中の「項目名」「項目詳細」が記載してあります
量の単位と測定
- 測定とは「単位を基準にして、その量を道具で測り、数値で表すこと」であると再確認する
- 「長さの基本単位であるメートルに、接頭語 キロ がついた状態の単位」である「km(キロメートル)」を理解する
- 1kmの長さは、直接見て捉えることは難しいため、10mや100mとの関係を捉えて、「100m の 10倍」および 「10m の 100倍」 であることも理解する
- 通学路上の「家や学校から1km の地点」を調べたり、運動場の「200mトラックの5周分」であることを知ることで、1km を実感的に捉えられるようにする
- 長さを、およその見当を付けて、適切な大きさが測れる計器を選んで測定する
- 「どれだけの長さが測れるのか」や、「どれくらいの詳しさで測れるのか」などを、状況に応じて適切に判断出来るようにする
- 形状など、量自体ではない部分も、計器の選択の考慮に入れれるようにする
(例:木の回りなどの曲線部分の長さを測る場合は、定規ではなく、曲線に沿わせることが可能な巻き尺を選べるようにする、など) - このようなことを考慮して計器を選んでいくことを通して、「使用上の注意点に気を付けて測定を行う」という考え方と姿勢を養う
- 長さを測定して得られた数値を、その大きさを表すのに適切な単位(適切な接頭語付き あるいは 接頭語なしの単位)で表す
- その大きさを表すのに適切な単位を選択することで、測定した数値が扱いやすい大きさの数になること、を実感する
- 「重さ」も、これまでの学習で学んだ 長さ や かさ などと同じように、「量」として捉えられることを知る
- 二つ以上のものの重さについて、どちらが重いか比べることができる、ということを理解する
- 実際に手で持って比べてみる、しかしそれだと 大きな差がなければよく分からないので、次は天秤で比べてみる、など、実際に重さを比べてみる
- 天秤ではどちらが重いか分かっても、どのくらい重いかまでは分からない、といった不便さも感じる
- 「重さ」も「量」なので、これまでの学習で学んだ 長さ や かさ などと同じように、「単位となる量(重さ)の幾つ分なのか」で、その量(重さ)の大きさを表せることを理解する
- 重さの単位である「g(グラム)」と、接頭語 キロ がついた単位「kg(キログラム)」を知り、「1g」と「1kg」の単位の意味と、お互いの関係や違いを理解する
- 日常生活で身近な「体重測定」や「食品の買い物などでの計器を用いた量り売り」、あるいは「1kgの重さの物を実際に持ち上げる」、などの活動を通して、「重さ」という量の大きさについて、感覚を豊かにする
※ 国際単位系では、7つの物理量について「基本単位」が定められていて、他の単位は この「基本単位」から構成できる「組立単位」です。
基本単位は、他から構成することのできない基本となる物理量の単位について定められています。色で言うなら原色のようなもので、該当する量は7種類あります。そんな7つの物理量と その基本単位は、「質量、長さ、時間、電流、温度、物質量、光度」の「キログラム、メートル、秒、アンペア、ケルビン、モル、カンデラ」です。
キロやミリなどの接頭語を付けたり外したりして、大きさはその都度 都合のよい大きさに変えられますが、「基本単位」として定義されている単位はこの7つです。ちなみに重さは、利便性などの理由から「グラム」ではなく「キログラム」が「基本単位」です(理由は諸説あり)。
これらの「基本単位」を組み合わせて、他の物理量の単位は定義されます。身近な例では、4年生で学ぶ「長さ × 長さ = 広さ」の単位である「平方メートル(m²)」や「平方センチメートル(cm²)」「平方キロメートル(km²)」などでしょう。
- 「重さ」も、これまでの学習で学んだ 長さ や かさ などと同じように「量」であり、「単位となる重さの幾つ分か」で その量の大きさを表せるので、長さやかさと同じように、計器を用いて「測定」できることを理解する
- 重さを測る計器である「はかり」を知り、実際に「はかり」を用いて測定を行う
- その際に「はかり」にも、どれだけの重さのものまで量れるか(秤量)、や、どのくらいまでの詳しさで量れるか(感量)、に、「はかり」による違いがあることを知る
- 測る前に重さの大体の見当をつけたり、どのくらいの詳しさで知りたいのかを意識したりして、適切な「はかり」を選んで測定する
- 重さでも、このようなことを考慮して計器を選んでいくことを通して、「使用上の注意点に気を付けて測定を行う」という考え方と姿勢を養う
- 重さを測定して得られた数値を、その大きさを表すのに適切な単位(適切な接頭語付き あるいは 接頭語なしの単位)で表す
- 重さでも、その大きさを表すのに適切な単位を選択することで、測定した数値が扱いやすい大きさの数になること、を実感する
- 球体のものや液体など、直接重さを計ることが難しいものは、かごやカップなどの容器に入れて量る場合が多いことを知る
- そのような測定を行った際の重さは、
「測りたいものの重さ = 全体の重さ − 容器の重さ」
となることを理解する
- 重さの単位の普遍単位として、キログラムやグラム(またはグラムに他の接頭語が付いたもの)以外にも、一般的に用いられている「トン(t)」があることを知る
- 「1t=1000kg 」の関係であることを知る
※ 国際単位系で定められた単位以外でも、昔から使われ続けていたり、既に世に広まり過ぎてしまっているような単位もあります。そのような単位は、実社会での重要性などから、「国際単位系との併用が可能な単位」として認められています。
質量の「トン(t)」も、それに当たります(質量と重さの違いは中学1年生の学習なので、ひとまず小学校では 重さの「トン」で全く問題ありません)。
2年生で習った かさ の「リットル(L)」も同様で、かさ つまり 体積の国際単位系での単位は 「長さ ×長さ × 長さ = 体積」という「組立単位」の「立方メートル(m³)」や「立方センチメートル(cm³)」です(※ これらの単位は「立体図形の体積」を学ぶ5年生の学習です)。
- 今までに学習した 長さ・重さ・かさの単位について、キロやミリなどの接頭語が付いた単位と、付いていない状態の単位に対して、倍数関係を、ひとつの表にまとめてみる
- 長さ・重さ・かさのそれぞれの単位について、何も付いてない状態の単位から、付く接頭語の種類に応じて、次の関係になることに気付く;
- キロ(k):1000倍
- デシ(d):1/10倍
- センチ(c):1/100倍
- ミリ(m):1/1000倍
- つまり、長さ・重さ・かさと、量の種類が違っても、キロやミリなどの同じ接頭語が付いた単位は、付いていない状態の単位に対して、倍数関係が同じになる、ということを理解する
- 長さ・重さ・かさと、量の種類が違っても、同じ接頭語がついた各単位を完全な別物としては捉えず、『「接頭語の付いていない状態」と「接頭語が付いた場合」の関係』 を、大きな視点で「同じ表現システム」として捉え直す
(→ 背後にある『世界共通で単位が通じるように 国際的に整えられている「単位の表現体系」』の存在を、少しでも感じとってもらえればと思います。この「単位の表現体系」は、上記の「同じ表現システム」のことであり、これこそが「国際単位系」です。)
- 長さ・重さ・かさ と、量の種類は違っても、適切な接頭語が付いた単位を選択することで、数値が扱いやすい大きさになることを、改めて理解する
(→ そのための接頭語です) - 接頭語を適切に使い、その利便性を実感できるようにする
★ SI接頭語の補足
※ 2年生から登場し、おそらく多くの子供達を悩ませている キロ や デシ・センチ・ミリ といった、「単位の前に付けて1単位の大きさを変える これらの語」のことを、「SI接頭語」といいます。
接頭語とは、単語の頭に付いて、その単語に特定の意味などを付け加える言葉のことです。SIは ”国際単位系” の仏語に由来する略称です。「SI接頭語」で一つの名称ですが、意味としては「国際単位系 接頭語」ということになります。
言葉の世界でも「接頭語」はあり、一つの独立した単語に付いても 二語にはならず、「違う意味をもった 一単語」を作ります。もちろん、作るのは もとの意味からのファミリー的な意味の語で、全く違う意味にはなりません。算数・数学・物理学などの世界で大活躍する「SI接頭語」も、当然そこは同じです。
言葉の世界だと、例えば「不-」という接頭語は「可能 → 不可能、平等 → 不平等、利益 → 不利益」と様々な単語に付き、同じ意味グループ内での新しい単語をつくります。SI接頭語は、もととなる単語ではなく「もととなる単位」に付きますので、例えば「k(キロ)」なら「m → km、L→ kL、g → kg」と付き、接頭語が付いていない単位のファミリーとなる「新しい大きさの単位」を作ります。
そして「もととなる単位」を「どのくらい大きく(または小さく)するか」は明確に定められています。まず、どのSI接頭語も、「もととなる単位の大きさ」を「10 のべき乗 倍にした大きさ」に変えます。一文字(たまに二文字)で『それぞれの文字が担当するSI接頭語が意味する「10 のべき乗倍」』を表し、『「もととなる単位」を「SI接頭語が表す分の 10 のべき乗倍」した「新しい大きさの単位」』を作ります。
同じ種類の量 という枠の中で 1単位の大きさが変わる、ということなので、キロやメガ・ギガのように大きくするものは、言葉の世界だと「超:快適 → 超快適、満員 → 超満員」などのイメージが多少は近いでしょうか。デシ・センチ・ミリなどのように小さくする方なら「微:生物 → 微生物、粒子 → 微粒子」などがありますね。もちろん言葉の方は、「実際にどのくらい」大きく or 小さくなるのかなんて 定められていませんけど…。
しかし、何でこんなもの必要なのだろう、面倒…(><)と、子供の頃は作成者も その存在を煙たがっていました。が、SI接頭語は、「数値を扱いやすくしてくれる」 という、大変に大きなメリットがあります。
身近な例として、例えば 作成者の遠方の親戚の家までの距離 500kmで見てみます。言うまでもなく、1km が 500 集まった距離です。家から1kmくらいのところに お友達の家があるので、その距離が 500分、これは考えやすいです。500は想像しやすい、扱いやすい数値です。これを m で表すと、500,000(50万)m。作成者のお腹上辺りまでで1mで、それが 50万 集まった距離。一気に想像が難しくなりました。50万は、大きすぎて扱いにくいのです。(もちろん、小さすぎても扱いにくくなるのは同じです。)
このように、日常生活でもメリットが感じられるくらいなので、「大きすぎる」や「小さすぎる」の桁が違う、科学技術やバイオテクノロジーなどの世界で、SI接頭語が必要不可欠な存在であることは、容易に想像できます。
そんな重要なSI接頭語ですが、人により国によりで解釈が異なると困りますので、世界共通で使うためには、もちろん使い方のルールがあります。
「もととなる単位(一つ分)」を「その SI接頭語が表す分の大きさ倍(何倍か)」したのが「新しい単位」の大きさ。となると、日本の乗法の順序だと『「一つ分」「の何倍」』なので、 SI接頭語が後ろだよね? と考えたくなる、かもしれません。が、ここは国際単位系のルールに従い、「各SI接頭語が前で、もととなる単位が後ろ」の順で書きます。後ろ側がもとの単位の方が 何の種類の大きさなのか一目で分かりやすいですし、ここは考え込まずに従います。そもそも海外の算数だと、乗法の順序ルールが日本とは逆なことも多いですし(『「幾つ分」×「一つ分の大きさ」』や『「何倍の」「一つ分の大きさ」』が 正式な乗法の順序ルールということ)、国際単位系の歴史は そのような海外にありますので、むしろ順番はあちらの乗法の順序ルール通りなのかもしれません。
この「日本とは逆になる乗法の順序ルール」と照らし合わせれば、SI接頭語だけではなく、量を単位で表すということ全体が、全て乗法の式の意味そのものとなります。(まぁ日本でも昔から量と単位については「一つ分」が後ですが…。五両とか一寸とか、などなど。この辺りは算数とはリンクしていないのかもしれませんが、調べきれていません、すみませんm(_ _)m)
それでは、多くの子が苦手とする、SI接頭語間の「単位換算」の数学的な数字の流れを、長さの単位メートル(m)を例に見てみます。
最初に、意味のおさらいです;
- k(キロ)は 10³倍なので「km = 10³ × m 」という意味
- c(センチ)は 10⁻²倍なので「cm = 10⁻² × m 」という意味
上記をふまえて、まずは SI接頭語付の単位を、何も付いていない単位に換算します。単位の意味としては、SI接頭語が表す倍数が、何も付いていない単位に掛かることで、新しい大きさの単位となります。が、換算の計算では、その倍数を数字に戻し、結合法則を適用させて「数値」の方に掛けて計算を行います。法則適用からは、意味等は切り離して、「数式の操作という処理」を行っています;
- 1km =1×(10³ × m)=(1× 10³)× m = 1000 m
- 100cm =100 ×(10⁻² × m)=(100 × 10⁻²)× m =1m
今度は逆に、何も付いていない単位を、SI接頭語付きの単位に換算します。掛けても大きさの変わらない「×1」を間に挟み、「換算後のSI接頭語が意味する倍数を 打ち消して1にしてくれる数」と「換算後のSI接頭語が意味する倍数」に分解し、結合法則を適用させて、前者を数値に掛け、後者をSI接頭語に置き換えます(もちろん、「×1」を挟んだり法則を適用させたり、は、もはや意味云々ではなく、「数式の操作という処理」です);
- 1000 m = 1000 ×1× m = 1000 ×( 10⁻³ × 10³ )× m=(1000 × 10⁻³ )×( 10³ × m )= 1km
- 1m =1×1× m=1×(10² × 10⁻²)× m =(1× 10² )×( 10⁻² × m)= 100cm
最後は、SI接頭語付の単位間での換算です。色々な思考経路の解き方があるかと思いますが、慣れないうちは上記の2段階で考えるのが、意味を捉えやすいと思います。つまり、まず「換算前のSI接頭語が意味する倍数分」を数値に掛けて、何も付いていない単位に換算します(<例1>)。次に、掛けても大きさの変わらない「×1」を、「換算後のSI接頭語が意味する倍数を 打ち消して1にしてくれる数」と「換算後のSI接頭語が意味する倍数」に分解して、結合法則を適用させて、前者を数値に掛け、後者をSI接頭語に置き換えます(<例2>)。
- 1km = 1000 m = 1000 ×1× m = 1000 ×(10² × 10⁻²)× m =(1000 × 10²)×(10⁻² × m)= 100,000 cm
- 100cm = 1m = 1×1× m = 1×(10⁻³ × 10³)× m =(1× 10⁻³)×(10³ × m)= 0.001 km

時刻と時間
- 時間の単位である「秒」を知る
- 「1分間=60秒」という関係を知る
- 「10秒 や 60秒 といった まとまった時間の中に、1秒が幾つ分あるのか」を意識して感じ取り、「秒」という時間について理解できるようにする
- 1秒の長さについての感覚を、実際に1秒を感じられる活動を通して養う
(例1:時計の秒針や 1秒のテンポに設定したメトロノーム などの、1秒が分かる道具自体で1秒を感じたり、または それらに合わせて 数を数えたり 手をたたいたりする、など)
(例2:ストップウォッチを用いて「秒」を実感できるような遊びをする、など) - 「秒」という単位が使われる、日常生活の場面を考える
- 「時刻」と「時間」を明確に使い分けて、日常生活で必要な時刻や時間を求められるようにする
(例1:時計の模型や図などで、針が進んだ目盛りの数を数える、など)
(例2:数直線上に表された時刻から時間を読む、など) - 時刻から時間、または逆を求める際に、「正時(7時や8時など 分や秒の端数が付かない時刻)や 正午 を区切りとして考える」という考え方も知る
(※ ただし計算で求める場合は、日常生活で必要とされる範囲内にとどめ、複雑な単位換算は避ける)
※ご注意事項
※ ご紹介する単元名や項目名は、学習内容の意味的なまとまりをご紹介するために、学習指導要領や子供達の教科書等を参考に、作成者が個人的にまとめたものです。学習指導要領や各教科書および参考書等での、実際の括り方や 用いられている名称とは 異なる場合もありますので ご了承ください。
※ 調査や要約等には 細心の注意を払い、出来る限り正確な内容となるよう努めていますが、あくまでも全て、個人の解釈です。内容を保障するものではありませんので、ご了承ください。
おわりに
以上で、3年生算数【測定】領域の、各項目の詳細説明は終了です。
各学年とも、学ぶ領域は4つずつありますので、項目説明はあと1回あります。
次回は、ようやく最後の領域「小学校算数3年生の項目詳細【データの活用】」です。
それでは(^^)/






