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はじめに
以前の記事「小学校算数3年生の単元と項目」で内容一覧を、具体的には『 内容領域ごとの「単元名」「項目名」』をご紹介しました。

それだけでも十分かもしれませんが、学習指導要領 公式解説には、なるほど!と思う詳しい内容が沢山載っています。
家庭学習をサポートする上で、知っていて損はないと思います。よって、公式解説を基にまとめた「項目の詳細説明」を、上記でご紹介した「項目名」に沿って 一覧にして ご紹介しています。
一度にご紹介するとボリュームが多くなりすぎますので、領域ごとに記事を分けています。それでは今回はついに詳細ラストの4領域目、「小学校算数3年生の項目詳細【データの活用】」です、見ていきましょう!
【データの活用】領域について

【データの活用】領域では、事実であるデータを整理して、データが語る真実を読み解き、未来へ生かすこと、を学びます。
3年生の単元一覧
3年生で学習する【データの活用】領域の単元は、以下になります;
【データの活用】 – 単元一覧 :3年生
- 「データの分析」
(タイトルでジャンプ)
各単元の項目詳細
以下より、算数3年生の【データの活用】領域中の単元「データの分析」の各項目について、詳細を どんどん ご紹介していきます!
- 単元中の「項目名」「項目詳細」が記載してあります
データの分析
- 日時や場所などの、身近なことに関連させられることの中から、1つの観点(何が知りたいか)を定めて、分類する項目を選び、項目に沿ってデータを正しく分類整理する
「データ分析での観点を明確にする」とは「データ分析での立場をハッキリさせる」、つまり「何を知りたくてデータを調べるのか スタンスをハッキリ決める」ということになります。これが決まれば、結果として、多くのデータの中から「具体的に どのデータの どこに着目すればよいのか」が決まりますね!
そう、「どのデータの どこに着目するか」は、真っ先に決めることなどではなく、「知りたいことから 導き出されるもの」なのです。
(そうやって導き出された「着目すべきデータ」は、常に揃っているとは限りません。ない場合は「必要なデータを集める」という重要な工程が必要となります。)
- 機械的な処理ではなく、「課題を明確に捉えた上で、それに沿って必要な資料を集め、分類整理する」という考え方や姿勢を養う
- そのために、まずはそもそもの目的を明らかにし、集める資料の条件を考えたり、目的にあった分類の観点((データ分析で)何が知りたいか)を選んだりする
- 資料に落ちや重なりがないように項目を決めたり、資料を分類したり、集計を確認する、など、誤りが生じにくい方法を工夫する
- まずは「一次元表」で、データを分類整理した結果を表に表したり、逆に表から読みとったり、などを通して、表の意味の理解を深める
(→ 「一次元表」とは、1つの観点で・1つの項目について・複数項目でまとめた、2年生からお馴染みの、データ分析や統計では一番 単純な表です)
- 「横軸にデータの種類(項目)、縦軸にそこに該当するデータの量をとり、棒の高さでデータの大小を表したグラフ」である「棒グラフ」を知る
(注:縦横が逆で 横棒になることもあります)
- 棒グラフから、知りたい項目の値を読み取れるようにする
- 表を基に棒グラフで表したり、棒グラフから読み取った値で表を作成したり出来るようにする
- 棒グラフから、「最大値や最小値」「項目間の関係」「集団のもつ全体的な特徴」なども読み取れるようにする
- 棒グラフから見つけ出した上記のことを、表と関連付けながら表現する
- 「データ中の数量の大きさの違いを、一目で捉えることができる」という、棒グラフの特徴に気付く
- 棒グラフの「目盛り幅」の違いを理解する
(→1目盛りが 1、10、100の場合を中心に、2や5、あるいは 20 や 50 の場合など、も学習する) - 同じ内容のグラフを 異なる目盛り幅でいくつか作成して比較したり、何種類かのグラフ用紙の中から適切な用紙を選択したり、などの活動を実際に行う
- これらの活動を通して、目的に応じた見やすさや分かりやすさ、または、用紙の大きさなどといった物理的な条件、などに応じて、その状況に適切な目盛り幅を使い分けられるようにする
- 「複数項目について、複数項目をまとめる」とう形でまとめられた「二次元表」に触れる
(→ 今までは「1つの観点で、1つの項目について、複数項目をまとめる」という形でまとめられた「一次元表」でした)
- 二次元表は「2つの観点で、複数項目について、複数の項目をまとめる」形ですが、3年生では、「一次元表」としてまとめられた複数の表を組み合わせて「二次元表」とした表を扱います(※ 4年生になると、2観点目の整理も自分たちで行います)
(例:好きな給食アンケートの回答データから、クラス別人気メニューが知りたい場合で考えます。
3年生の学習だと、メニューごとに人数をまとめた表が 1組の分、2組の分、と「一次元表が2枚」として初めからある状態で、それを合わせて「二次元表」を作成します。
4年生では、アンケート回答欄の中に、好きな給食もクラスも両方あるので、その回答データを見て、縦にメニュー、横にクラスを表の項目として挙げればいいな、と自分達で考え 集計していき、データから「二次元表」を起こします。)
- 表の表し方は1パターンには決まっておらず、幾つかの「分類の仕方」や「表し方」が出来るので、それぞれの特色を理解して、目的に応じて用いる
(→ ここでの表とは、「統計に関しての表」であり、ここまでで学んだ「一次元表」「二次元表」と「度数分布表」があります。(※下記参照))
(注:表には、トーナメント表など、統計に関する表ではない表もありますが、それらは含めません。)
※ 上記で「統計に関しての表」を3種類挙げましたが、3年生までで学び、使い分けることを意識する必要があるのは、そのうちの次の二つです。既に学んできていますが、改めてご紹介します;
- 一次元表:
1つの観点で、1つの項目について、複数項目をまとめる
(例:好きな給食アンケートの回答データから、人気メニューが知りたいので、縦か横一方にメニューを項目として挙げ、もう一方は人数という1項目のみで、人数を記入する、など) - 二次元表:
2つの観点で、複数項目について、複数の項目をまとめる(よって格子状になります)
(例:好きな給食アンケートの回答データから、人気メニューをクラスごとに知りたいので、縦か横一方にメニューを、もう一方はクラスを、それぞれ項目として挙げ、人数を記入する、など)
- 上記の 簡単な二次元表(一次元表を組み合わせた表)を棒グラフに表す際、次のような「複数の棒グラフを組み合わせたグラフ」ができることに気付く;
- 積み上げ棒グラフ:
1つの項目(例えばカレー)に付き1本の棒で、所属や属性など(例えば1組2組や男女)の違いは、色分けして積み上げていくグラフ
(→ その項目の内訳を知りたい時などに便利です) - 集合棒グラフ:
1つの項目(例えばカレー)につき、所属や属性など(例えば1組2組や男女)で1本ずつの棒として横に並べて表示していくグラフ(通常色も分ける)
(→ その項目の所属などによる大小を比較したい時などに便利です)
- このような棒グラフを読み取ることができるようにする
- 様々な観点と それに対応する様々な描き方の棒グラフに触れることで、目的に応じた棒グラフに表すとよい、ということを知る
※人気メニュー・クラスごと、は、2つの観点ではありますが、各給食メニューを1つ目の観点の項目とすると、回答者は皆、同じ項目について 選んでいます。そして1組も2組も、選んだ人数という、同じものを調べています。よって、クラスという2つ目の観点は、グラフ化の際「同じ観点でのデータ系列」という捉え方にも出来ます。つまり「1つの観点での 複数のデータ系列のグラフ」という見方に出来ます。(データ系列は この場合 1組のデータ、2組のデータ、となります。)よって、グラフの軸は1軸で対応できます。
(→ 複数観点のまま 複数系列となる2軸のグラフは、4年生での学習です。)
- 例えば 身の回りの様々な事柄などで、『「解決したい問題」などに応じて定めた観点』によって、データを表に分類整理したり、棒グラフにまとめたりすることで、特徴や傾向を捉える
- 捉えた特徴や傾向の、理由や背景を考える
- 表や棒グラフから捉えたことや、そこから考えたりしたことを、表のどの部分から、棒グラフのどの部分から、そのように考えたのか、他の人にも分かるように表現して伝える
(→ 部分と部分や 複数の棒グラフを比べて、同じところや似ているところ、あるいは 少し違うところや大きく違うところ、などを見付けだし、表現できるようにする) - 伝え合うことで、自分の考え以外にも、様々な捉え方や考えがあること に、気付くことができるようにする
- 自分以外の考えを知る過程で、主張によって 棒グラフへの適切な表し方が異なることにも気付く
- 考えたことを問題解決につなげたり、自分で分かったことや 自分以外の考えを基にして 新たに考えたりしていき、データ分析を用いた問題解決の活動を深めていく
※ご注意事項
※ ご紹介する単元名や項目名は、学習内容の意味的なまとまりをご紹介するために、学習指導要領や子供達の教科書等を参考に、作成者が個人的にまとめたものです。学習指導要領や各教科書および参考書等での、実際の括り方や 用いられている名称とは 異なる場合もありますので ご了承ください。
※ 調査や要約等には 細心の注意を払い、出来る限り正確な内容となるよう努めていますが、あくまでも全て、個人の解釈です。内容を保障するものではありませんので、ご了承ください。
おわりに
以上で、3年生算数【データの活用】領域の、各項目の詳細説明は終了です。と同時に、今回で、3年生算数は全て終了となります。
3年生では、一気に学習する内容の量が増えます。難易度も、小数の登場・分数の計算・接頭語の単位表現体系… などなど、身近な具体的なものと すぐには結びつけにくい、概念寄りのものが増え、かなり難しくなってきています。
ちょっと調べると、□を用いた式の問題、などを苦手とする子が多いみたいですが、個人的には、3年生の中でも特に大きいイベントは、「除法」の正式な登場かな、と思います。(もちろんどれも重要イベントですが(-o-)!)
プロの数学者達にとって難しいのは足し算らしいのですが、小学生含め、多くの一般人にとって 四則(加減乗除)の中で最難関は、圧倒的にこの除法、割り算かと思います。
割り算には、掛け算の逆算と見た時に、「掛けられる数(被乗数)」と「掛ける数(乗数)」の どちらを求める場合に該当するかで 意味が二つあります。
(ちなみに、もととなる 掛け算の「掛けられる数」を求める割り算は「等分除(等分数で除して 包含数を求めます)」、「掛ける数」を求める方は「包含除(包含数で除して 等分数を求めます)」といいます。これらの難しい用語は、子供達は習いません。)
商として求められる数が意味するもの、が一つに定まっておらず、状況で変わる。ここが、和・差・積とは一線を画すところかな、と思います。
まず、和・差を求める 足し算と引き算は、「一つのものの数」のやり取り(例えば ”まんじゅうの個数” )です。次に 積を求める掛け算は、割り算と相互関係にあるだけあって 難易度は上がり、式の中には「二つのものの数」が存在しますが、積として求める数 は一つに決まっているので、まだ迷いは少ないです。(例えば式には 1箱の ”まんじゅうの個数” と それが入っている ”箱の個数” があっても、積は 全ての ”まんじゅうの個数” を求める、の一択です。)
(※ ”1箱のまんじゅうの個数” を ”箱とまんじゅうの関係を表す数(割合や率と呼ばれる数)” と捉えると 「3つのものの数」のやり取りですが、「積として何の数を求めるかに迷わない」点では変わりません。 )
対して割り算は、「二つのものの数」の中から、どちらが商として求めたい数なのか、状況により 自分で判断することになります。(商の数字が意味するのは、一箱の中の ”まんじゅうの個数” なのか、”箱の個数” なのか、を 状況から自分で判断。)
3年生の今、これをきちんと判断できる力を 確実に付けておけば、高学年になり「 ”一箱のまんじゅうの個数” と ”箱の個数” と ”全てのまんじゅうの個数” 」が「 ”速さ” と ”時間” と ”距離” 」になっても迷わない、ことに繋がっていくので、コツコツ頑張りましょう!(^^)/
(※ もちろん後者になると、 ”時間と距離の関係を表す数(割合や率と呼ばれる数)” と ”時間” と ”距離” の「3つのものの数」のやり取りとして捉える必要はありますが、基本的な考え方は ”まんじゅう&箱” の場合と変わりません。 )
では 次回は4年生へと進み 「小学校算数4年生の単元と項目」へと進みます。
※2025/12/13 現在 、4年生以降については、サイトリニューアル未着手です。次の「小学校算数4年生の単元と項目」のページ含め、4~6年は、「単元と項目」ページは内容の精査および校閲・校正の前段階です。さらに「項目詳細」ページは、ボリュームが多すぎて読みにくい状態のままとなっております。今後 学年ごとに順次リニューアル作業を行っていく予定で、詳しい時期は、決まり次第、サイトの各学年のページ上部でご案内します。ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。
それでは(^^)/






