こんにちわ、訪問ありがとうございます!
はじめに
前回「小学校 算数 【5年生】– ①単元と項目」をご紹介しました。
それだけでも 十分かもしれませんが、学習指導要領 公式解説には、なるほど!と思う詳しい内容が沢山載っています。
家庭学習をサポートする上で 知っていて損はないと思いますので、今回の記事では、それらを基に さらなる調査などを追加して 詳細をまとめて、前回ご紹介した項目名に沿って 一覧にして ご紹介します。
これだけで かなりのボリュームになってしまいますので、必要なところだけ読んでいただければと思います。
そして 単元の土台や目的、算数的な小話など、他にも記載したいことが沢山あるのですが、ブログ記事だと さらなるボリュームを追加すると 読みにくくなりますので、それらはnote版PDFの方に載せます。
それでは、「小学校 算数【5年生】– ②詳細説明」、ブログ版は主に項目についてのみですが、見ていきましょう!
小学校 算数 – 5年生の詳細説明 (項目について)

各領域ごとに、前回ご紹介した項目と同順で、各項目の詳細を挙げていきます。

数と計算
数と計算 : 5年生 – 各項目 概要説明
- 整数を2で割ると余りは0か1であり 2で割ったときの余りが0になる整数を偶数・1になる整数を奇数ということを知る、全ての整数は 偶数か奇数かの二種類に類別されることを理解する、このことを 全ての整数は偶数か奇数かどちらかの組に属するという集合的な捉え方もできるようにする、整数は 一の位が空位の他の位は全て2で割れるので結果として 一の位を見れば偶数か奇数か判断が出来るが この類別はあくまでも 一の位がどちらなのかではなく 2で割ったときの余りは0か1か であることを理解した上で 早く判別するためのツールとして一の位で判断する(0は整数であり 2で割って余りが0、0÷2=0(2×0=0)なので偶数の組に入ります)
- ある整数を割り切ることのできる整数を その ある整数の約数 ということを知る(12を割り切ることができる整数を12 の約数といい、1、2、3、4、6、12が12の約数である)、ある整数を整数倍してできる整数を その ある整数の倍数ということを知る(3に整数をかけてできる数を3の倍数といい、3、6、9、12…が3の倍数である(倍数はどこまでも大きい数が求められる、また 小学校算数では0は倍数に含めない)、ある整数の約数や倍数の全体を それぞれ一つの集まり、集合として捉えられるようにする
- 二つの整数の それぞれの約数や倍数からなる集合の共通な要素からなる集合を 公約数 および 公倍数ということを知る、公約数の中で最大の数を最大公約数ということを知る、公倍数の中で最小の数を最小公倍数ということを知る、公約数・公倍数・最大公約数・最小公倍数を理解して 求められるようにする。(例:8の約数は{1、2、4、8}、12の約数は{1、2、3、4、6、12}、なので 8と12の共通する約数である公約数は{1、2、4}、および 公約数の中で最大の数である最大公約数は4。 また、8の倍数は{8、16、24、32、…}、12の倍数は{12、24、36、48…}、なので 8と12の共通する倍数である公倍数は{24、48、72…}、および 公倍数の中で最小の数である最小公倍数は24。(※一般的および小学校算数では 倍数は自然数をかけたものという意味であり、数学的には0は整数なので0は全ての整数の倍数でもあります。「小学校の間は倍数は自然数をかけたもので考えます」、これでいいと思うのですが、自然数の概念を学ぶのが中学校なのでこの説目はできず、小学校の教科書には「0は倍数に含めないことにします」的なことが理由もなくサラッと書いてあるのみです。しかし整数の偶数奇数については、0は偶数の組に入ることを学びます。2×0=0だからです。なのに理由もなく倍数には0は含めません、では数学が得意な子・理論的思考が得意な子ほどモヤモヤすると思います。5年生であれば「0も倍数とは何かを考えれば本当は倍数に含まれるけど 考え方が難しくなるので、小学生のうちは まずは倍数は1以上の整数で考えます 」と ざっくり理由を説明してもいいのでは? とも思います。) (※数学的には0も倍数、ですが、素因数分解した素因数をすべて持つのが倍数、という見方だと0を含まないときもあります。)
- 小数点の位置を移動することにより もととなる数の 10倍、100倍、1000倍、1/10、1/100などの大きさの数をつくれることを理解する、必要に応じて 1/1000の大きさの数もつくれるようにする、これらを操作を形式的に行うのではなく 数の大きさや数の構成についての感覚を深めながら 十進位取り記数法(十進数の数字での記し方)では 小数点が1桁右に移ると10倍の大きさを表し 1桁左へ移ると1/10の大きさを表す ということを 実感を伴いながら理解していく
- 4年生では 乗数や除数が整数の場合について 小数の乗法・除法の計算の意味を理解したが、5年生では 乗数や除数が小数の場合の意味を理解する;<乗法の場合> 乗数が整数となる小数の乗法の意味は 当然 乗数が整数の場合と変わるのではなく、今まで考えてきた意味でそのまま 乗数が小数になっても適用できることを理解する、ただし 乗法の意味である「 一つ分の大きさ(被乗数) × 幾つ分か・何倍か(乗数) = 該当数分に当たる大きさ(積)」において 乗数は「幾つ分か」だと 小数では捉えにくいので「何倍か」に意味を集約して、乗法を『「基準にする大きさ(被乗数)の その倍数(乗数)分 に当たる大きさ」を求めると「積」となる』と捉え直して、その乗数が小数になっても この意味で捉えられるようにする、この意味より 乗数が1より小さい場合 積は被乗数より小さくなることも理解できるようにする(※ 例) 1メートル 80円の布を 何メートルか買った際の値段について 整数倍と小数倍を同じ考え方で捉えて 値段を求めてみる (1)2メートル買ったときの値段→80×2 (2) 2.5メートル買ったときの値段→80×2.5 (3) 0.8メートル買ったときの値段→80×0.8)、値段と布の長さ それぞれ数直線にして 対応させることで 乗数が1より小さい場合 積が被乗数より小さくなることも確認する <除法の場合> 除法を乗法の逆として見た際に 被乗数と乗数のどちらを求めるのかで分かれる除法の二つの意味について どちらの場合も 除数が小数でも意味を捉えられるようにする;乗法を「基準にする大きさ(被乗数) × 倍数(乗数) = その倍数分に当たる大きさ(積)」と捉え直した上で ①基準にする大きさ(被乗数) を求める場合:「その倍数分に当たる大きさ[被除数(もとの積)]÷倍数[除数(もとの乗数)]=基準にする大きさ[商(もとの被乗数)] 」→ 乗法をA×a=Bとした場合のB÷a=Aであり、Aを求める つまり Bは幾つを基準としたときのa倍であるか を求める 即ち 基準にする大きさを求める考え方 であり この場合の除数が小数 即ち aが小数・倍数が小数の場合も 同じ考え方で意味を理解できるようにする (※ 例)2.5メートルで200円の布の 1メートルの値段はいくらか:200÷2.5) ②倍数(乗数)を求める場合:「その倍数分に当たる大きさ[被除数(もとの積)]÷基準にする大きさ[被除数(もとの被乗数)]=倍数[商(もとの乗数)]」→ 乗法をA×a=Bとした場合のB÷A=aであり、aを求める つまり BはAの何倍であるかを求める 即ち倍数を求める考え方であり この場合の除数が小数 即ち Aが小数・基準にする大きさが小数の場合も 同じ考え方で意味を理解できるようにする (※ 例) (1) 9メートルのリボンは 1.8 メートルのリボンの何倍になるか→ 9÷1.8 (2)9メートルのリボンを 1.8 メートルずつ切り取ると 何本できるか→9÷1.8)、どちらの意味でも、除数が1より小さい場合 商は被乗数より大きくなることも理解できるようにする (※ ①は整数の場合の等分除(等分数で除する) ②は整数の場合の包含除(包含数で除する) です。) (※今までの学年で学んできた乗法・除法の意味(乗法:「 一つ分の大きさ(被乗数) × 幾つ分か(乗数) = 該当数分に当たる大きさ(積)」、その逆の除法:「 該当数分に当たる大きさ[商(もとの積)]÷幾つ分か[(もとの乗数)]=一つ分の大きさ[(もとの被乗数)] 」) のままで捉えていると 特に①の等分除の考え方の方で 幾つ分が小数分では意味が掴めなくなってしまうので、5年生では 乗法を「基準にする大きさ(被乗数) × 倍数(乗数) = その倍数分に当たる大きさ(積)」と より大きな一般的な意味で 捉え直せるようにする必要があります。) (※除数が小数、特に除数が1より小さい場合、意味が理解できなかったり 除数と商の大きさの関係が分からなくなってしまったりする子が多いようです。除法が①②どちらの意味であっても、被除数÷除数=商であり 被除数=商×除数なので、除数が1より小さいということは 1より小さい除数を掛けたときに被除数となる値が商なので、 商は被乗数より大きくなることを理解する。また①②どちらの意味の場合でも 数直線などを用いて 除数が1より小さいときの意味と 商が被除数よりも大きくなることを 実感を伴いながら理解できるようにする。)
- <乗法の場合> 3年生から 数を1ではなく10を単位(1まとまり)として捉えることにより 被乗数を10倍すると積も10倍になるという 乗法の性質を学習してきたが この考え方を 乗数にも広げて 乗数を10倍した場合も 積も10倍になる ことを理解する(実際に数直線などで 乗数を10倍すると積も10倍になることの確認なども行う)、さらに乗数を10倍、100倍… すると積も10倍、100倍… になる性質として捉え直す(※等式の性質としての乗法の性質 a=bならばac=bc の学習は中学1年生です)、乗数の小数を10倍、100倍…して整数の乗法に直してから一旦計算して その積を10、100… で割って 本当の積を求める、などの方法で考えられるようにする(12×4.3の場合 12×(4.3×10)÷10=12×43÷10、12×0.43の場合 12×(0.43×100)÷100=12×43÷100と考えて計算する) <除法の場合> 除数が小数の除法は「除数と被除数の両方に同じ数をかけても、または同じ数で割っても、商は変わらない」という除法の性質を活かして、除数と被除数の両方を10倍、100倍…して両方を整数にして 商を求める、などの方法で考えられるようにする(7.2÷2.4の場合 (7.2×10)÷(2.4×10)=72÷24、0.1÷0.04の場合(0.1×100)÷(0.04×100)=10÷4と考えて計算する)、被除数の最小の位で割り切れない場合でも さらに割り進むことができる ことを理解する(0.5÷0.4=1.25)、<乗法・除法ともに> 計算の考え方を理解した上で 筆算での小数点の打ち方も含めて これらの計算が出来るようにする
- 小数の除法の余りの大きさを理解する、余りの小数点の位置に誤りが多いので 余りが表す意味を再度考えた上で 余りの大きさを考え 余りは除数より小さいことの再確認をする、(被除数)=(除数)×(商)+(余り)の関係を再認識する、商、除数、余りの大きさの関係を捉えた上で 余りが表す大きさを考えて余りの小数点を正しい位置に打つ、余りの考え方を理解した上で 筆算での小数点の打ち方も含めて 正しい余りが出せるようにする (※ 小数の割り算は 筆算も含めて「 被除数・除数ともに同じ数で掛けたり割ったりしても商は同じである」ことを利用して小数点の位置を計算しやすく操作して行いますが、余りがこの性質には該当しないことで混乱する子もいます。下記の分配法則を使えば、余りは計算過程で使用した小数点の操作、つまり被除数・除数の両方に掛けた10の倍数を解除しないといけないことが分かります。「 被除数・除数ともに同じ数で掛けたり割ったりしても商は同じである」は、正式には、「 被除数・除数ともに同じ数で掛けたり割ったりすると、もとの数式と同じ数式でななくなるが、商は同じである」です。例として10を掛けてこの操作を行った場合、上の関係を確かめる式で全体を見ると 10×(被除数)=10×{(除数)×(商)+(余り)}の状態になっています。この右辺を分配法則で分解すると 10×(除数)×(商)+10×(余り) です。この際の 10×(除数)×(商) の 10 は除数側にかかっていると見れば、まさに左辺の被除数・この除数ともに10が掛かった状態で、商は10倍されず そのまま同じです。しかし 余りは 10×(余り) の状態になっており、本来の数式の余りから10倍されてしまっていることが分かります。このように、もとの数式と同じ数式ではなくなっていますが、求めるのが商だけでいいなら そのまま使えます。しかし 余りを求めるなら、こちらは本来の数式が出す余りに戻す、即ち 今度は10で割る必要があります。筆算なら もとの位置から小数点を下ろしてくるだけでそれが出来るので ラクです。)
- 小数の乗法・除法でも 整数の場合と同じ関係や法則が成り立つことを 主に分配法則で確かめる:分配法則 – 加法・減法と乗法→ a×(b±c)=a×b±a×c、(a±b)×c=a×c±b×c (※文字を使った式は6年生の学習内容ですが、大人は記号より文字の方が捉えやすいと思い 文字で記載しました。5年生までの小学生サポートの際はa・b・cを○・△・□などに置き換えてください。)
- 「整数と分数」および「小数と分数」は別ものなのではなく、表記は違っても 数としては 同じ数を表していることを実感しながら 理解する <整数と分数> 整数aを分数に表す場合 最も簡単に表すなら a=a/1 (ただし この際の分母は 必ずしも1とは限らないので、分母の値によって分子の値が決まる(2=2/1 =4/2 =…など、整数aならa=a/1=2×a/2=3×a/3…)) <小数と分数> 小数を分数に表す場合 分母として10、100、1000 などを用いる(0.13なら0.01の13 個分すなわち1/100の13個分にあたるので13/100)、これらのことを理解して 整数や小数を分数で表せるようにしたり 逆に分数を整数や小数で表したりする (※ただし分数を小数で表す際は有限小数では表せないものもある(1/3=0.333…など)ので それらのものは次の「整数の除法の分数表記」と合わせて理解する)
- 整数同士の除法の商を分数を用いて表せることを知る、①まずは分子が1の場合で図などで実際に表してみることを通して理解する(1Lを3つに分けると1/3Lとなり 1÷3=1/3となる) ②そこから 分子が1ではない整数の場合は 分子1の分数が その整数分 と捉えられることも(2Lを3つに分けると1/3Lが2つ分になるので2/3Lとなり つまり2÷3=2/3となる) 図などでの確認を行いながら実感を伴い理解する ③その上で 商が整数や小数になる除法を分数で表せるようにする(6÷3=2を6/3で表したり 2÷4=0.5を2/4で表したりする)、 二つの整数の除法は 常に割切れるとは限らないが 除法を分数で表せば どのような結果でも 一つの数で表すことができることを理解する(1÷3=0.333…とどこまで割り進めても割り切れないが 1/3という分数で表せば 一つの数で表せる)、逆に 分数を割り算と捉えて 小数で表せるようにする(1/4を1÷4とみて0.25 と表す)
- 一つの分数の分子と分母ともに同じ数を乗除してできる分数は 元の分数と同じ大きさを表すことを理解する(2/3=2×2/3×3=4/6、4/6=4÷2/6÷2=2/3)、除法は分数で表せるのでa÷bがa/bであり 同じ数を乗除してできる分数は元の分数と同じ大きさであることはa/b=a×c/a×cおよびa/b=a÷c/a÷cとなるので つまり「 被除数・除数ともに同じ数で掛けたり割ったりしても商は同じである」という除法で成り立つ性質と同じことを言っている こいうことを理解する
- <約分> 約分とは 分数の分子と分母を それらの公約数で割って 分母の小さい分数にすることである ということを理解して 約分が出来るようにする、約分した分数は 元の分数と同じ大きさを表すことを 数直線や図などで確かめて 実感しながら 理解を深める <通分> 通分とは 分母が違う分数同士を 分母が共通な分数に直すことである ということを理解して 通分が出来るようにする、通分は 二つの分母の最小公倍数を用いると 簡潔に表すことを知る、通分は 形式的な操作として行わず 分母が違っても大きさの等しい分数の意味をよく理解した上で 通分する意味も理解して行う、通分して 共通な分母に揃えることで 分数の相当や大小を比べられるようにする
- 異分母の分数の加法や減法は 通分することで 同分数の加法や減法として計算できるようになることを理解する、形式的に通分して計算するのではなく もともとの分数は それぞれの単位分数(その分母で分子が1の状態)が幾つ分かであったが 通分することによって 新しい共通の単位分数が幾つ分かで 両方の分数を表しなおせたので その単位分数の個数に着目して加法減法の計算ができるようになったことを理解する、このことは 単位を揃えて計算するという 3年生までの【測定】領域で学習してきたことと同じことであり 加法や減法の計算の基本になるこの考え方を ここでも再認識する
- □=2+△,□=2×△,□=3×△+1などの式で表される関係について 式の中にある二つの数量の対応の関係や 変化の関係の 特徴を 表などを用いて調べ 数量の関係を表す式の意味を読み取れるようにする、逆に 伴って変わる二つの数量の関係を 表などから読み取り 対応の関係や 変化の関係を □や△などの記号や言葉を用いて 一般的な式に表せるようにする (※ 二つの数量の変わり方は【変化と関係】の領域ですが、これを表や式を用いて考察することによって「式」というものの 意味の理解を深めるとともに、関数の考え方も伸ばします)
- □や△などの記号や言葉を用いて公式などとして表されている関係が 整数だけではなく 小数も含めて成り立ち 用いられることを知る、そこから 式の役割である「数量の関係や法則などを簡潔に一般的な形にして表す」という一面についての理解も深める
図形
図形 : 5年生 – 各項目 概要説明
- 図形の形や大きさが一つに決まるということの意味や 実際に1つに決まるための要素は何かを 三角形や四角形などの基本的な図形で 一つに定まる要素を知ることを通して 実感しながら理解を深めていく;例1) 三角形が一つに定まる要素(三つの辺と三つの角があるが それらの要素を全て用いなくても以下の要素で三角形が一つに定まることを理解する) → 三つの辺の長さが決まる や 二つの辺の長さとその間の角の大きさが決まる や 一つの辺の長さとその両端の角の大きさが決まる、など 例2)四角形が一つに定まる要素 :・長方形の場合→ 縦と横の長さが決まる、など ・ひし形の場合→二つの対角線の長さが分かれば決まる、など 例3)正三角形や正方形など(角数の分かっている正多角形)が一つに定まる要素→ 一辺の長さが分かれば決まる、など 例4)円が一つに定まる要素→半径の長さが分かれば決まる、など
- 二つの図形がぴったりと重なるとき つまり形も大きさも同じであるとき この二つの図形は「合同」であるということを知る、二つの図形が合同であるとき 対応する辺や対応する角の大きさは それぞれ等しいことを理解する、図形が決まるという観点から 二つの図形が合同かどうかを確かめるには 全ての辺や角を調べる必要はないということを 理解していく、三角形や四角形などの基本的な図形の合同 および合同かどうか確認する方法を理解する、二つの図形の合同は 位置や向きには関係なく ずらしたり 回したり 裏返したりして置かれていても 必要な辺と辺 角と角が対応していることを捉えられるようにする(裏返して重なる場合も合同であることに要注意ですね!)(※ただし三角形の合同条件や合同の証明などはまだです、中学2年生の内容となります、そこへ繋がる土台としての学習 ですね)、合同の意味を理解して 合同という観点から これまで学習してきた図形を見直してみる(平行四辺形を対角線によって二つの三角形に分けると 合同な図形ができる、など)
- 平面を合同な図形で敷き詰めるなどの操作活動を行い、敷き詰めた図形の中に他の図形を見つけたり、平行線の性質に気付いたりするなど、図形についての見方や感覚を豊かにする
- 多角形とは 三つ以上の直線で囲まれた図形がであることを知る、三角形や四角形以外の多角形も知る(6本の直線で囲まれた図形を六角形という など)、その簡単な性質を理解する (三角形や四角形のそれぞれの角の合計など)、「図形の性質」という ある図形について 常に成り立つような事柄があることを知る、三角形の三つの角の大きさの和は180度になる という性質を知る、四角形の四つの角の大きさの和は360度 五角形の 五つの角の大きさの和は540度 という性質を 対角線を引き 内部に出来る三角形の数と 三角形の和の性質を用いて説明できることを理解する、これらをまとめて 1つの頂点から対角線を引いて内部に出来る三角形の数と 角の大きさの和の関係として関連付けて 多角形の性質として大きく捉えて理解する
- 辺の長さが全て等しく、角の大きさが全て等しい多角形を 正多角形ということを知る、正三角形や正方形も 正多角形であるという見方で捉え直す、正多角形の円に関連する性質を知り理解する(円の内側にぴったり入る(円に内接する)、円の外側にぴったり接する(円に外接する)など)、正多角形の作製や作図を通して 図形の理解と感覚を深める(六つの合同な正三角形を一つの頂点が共通になるように並べて 正六角形を作る など)、正多角形を円と組み合わせて作図したり(円周を中心を通る半径で60度ずつ回転させて区切り それらの線が対角線になるように頂点を結んでいき正六角形を描く、など) 正多角形の性質を円の性質と関連付けて調べたりする(円に内接する正多角形の頂点と 円の中心とを結んでできる三角形は 二辺の長さが半径の長さである二等辺三角形であり 全て合同である など) ことを通して 正多角形と円との関係について実感を伴いながら理解を深める (※正多角形の作図は 正確な繰り返し作業を行う必要がある場合が多く プログラミング学習の教材として適した作業です。なので ここでコンピュータプログラム体験を取り入れやすいことが学習指導要領でも触れられています。よって作図とプログラムを絡めて学習する可能性は高くなると思います。)
- 直径と円周の長さの間には何か関係がありそうだ と気付けるようにする(身の回りにある円の直径と円周を幾つか測ってみる活動を通して など)、正多角形と円の関係からも 円周は直径の何倍になるかは常に一定でありそうだと感じたり 実際に何倍くらいになりそうだという見通しを立ててみたりする(円に内接する正六角形と 円に外接する正方形を利用すれば 円周の長さは内接する正六角形の周りの長さ(内接する正六角形は一辺が半径の正三角形6枚で出来るので 周りの長さは半径の6倍 即ち直径の3倍)より大きく、外接する正方形の周りの長さ(即ち直径の4倍)より小さいことが分かるので この関係はどのような大きさの円でも成り立つことが実感できる、およびここから 円周は常に直径の3倍より大きく4倍より小さい長さとなりそうであるという見通しが立てられる)
- どのような大きさの円でも 円周の長さの直径に対する割合は 常に一定であり この割合のことを円周率ということを 知る、円周率は無限に続く数だが 一般的には 3.14 を用いることを知る、直径・円周・円周率の関係を理解して 直径から円周、逆に円周から直径を計算によって求めることができるできるようにする
- 基本的な角柱や円柱について 以下のことを知る;①角柱や円柱は底面と側面とで構成される立体である ②角柱とは底面が多角形で側面が長方形や正方形の立体であり、底面が三角形である角柱ならば三角柱、四角形である角柱なら四角柱と呼ぶ ③立方体や直方体も四角柱に含まれるとして捉えなおす ④円柱は 底面が円の柱体である、これらを 底面・側面という言葉を用いて 説明や表現ができるようにする
- 立体図形について 観察などの活動を通して 角柱や円柱の構成要素である頂点・辺・面の個数や 面の形を捉えたり、辺と辺・辺と面・面と面の平行や垂直の関係を 捉えられるようにする (※ 辺と辺の垂直ではないが重ならない関係(ねじれの関係)や 辺と面の同一平面上にある関係は 中学2年生で学習します)
- 見取図や展開図を描く活動を通して 辺と辺・辺と面・面と面のつながりや位置関係を調べられるようにする、展開図を描き そこから立体を構成する活動を通して 角柱や円柱についての理解を深めて 空間についての感覚を豊かにする
- 三角形・平行四辺形・ひし形・台形の面積は 図形の見方を工夫することにより 今までの学年で学習してきた 長方形や正方形の面積の求め方に戻って考えることができること および そうすれば計算で求められること を理解する、それらの計算での求め方を公式にすることで 三角形、平行四辺形、ひし形、台形の面積は全て公式で求められることを理解する および それらの面積を公式を使って求められるようにする、公式を形式的に用いるのではなく 等積変形を理解した上で 三角形や平行四辺形の底辺や高さの関係や 底辺をどこにとるかで高さが決まることを確実に理解する、面積を求めるためには どの部分の長さを測る必要があるかを考えて 公式の理解を深める、実際に 底辺の取り方を変えて面積を求め それぞれの結果を比べる活動を通して 底辺をどこにとっても面積は同じであることを実感を伴って理解できるようにする
- 面積を 1単位となる平面を隙間なく敷き詰めて その幾つ分かで求めたことから発展させて 体積は 空間を隙間なく埋め尽くす立体図形が 1単位として適しているという考え方を理解する、その際 一辺の長さが1㎝や1mのように長さの1単位の大きさとなっている 立方体が便利であることも理解する、身の回りにある立方体や直方体の体積を実際に求めたり 実際に1㎥の大きさの立方体を観察したりして 体積の大きさの感覚を育てる
- 一辺が10㎝の立方体の体積 つまり1000㎤が1Lに当たることを知る、立方メートル(およびミリやセンチなどの接頭辞が付いた状態)とリットル(およびミリやセンチなどの接頭辞が付いた状態)との換算を行う
- 立方体や直方体は 一辺が1㎝や1mなどの単位体積の立方体を積み重ねてつくれることを理解する、 その上で面積を求める考え方(単位面積の平面が敷き詰められた枚数が面積なので結果的に 縦×横 で求められるという考え方)を発展させて 体積の場合は1段分の個数を 縦×横 その段の個数を 高さ でそれぞれ表すことができる ということを理解する、そこから 体積の公式「長方体の体積=縦×横×高さ(順不同)」「立方体の体積=1辺×1辺×1辺」として一般化して表せることを理解する (別物なのではなく、どちらも「縦の長さ×横の長さ×高さの長さ」であり、立方体は値が「縦=横=高さ=1辺」なのでこうなる ということも理解する)
- これまでに学習してきた長さの単位・面積の単位・体積の単位 の次の関係などを整理して 大きな視点で捉え直し 単位というものへの理解を深める:①長さ1cm、1辺の長さ1cmの平面の面積なら縦×横なので1㎠、体積なら縦×横×高さなので1㎤になる という組立単位の関係 ②長さ1m、1辺の長さ1mの平面の面積なら縦×横なので1㎡、体積なら縦×横×高さなので1㎥になる という組立 ③接頭語と単位の関係(10㎝=1m、100㎠=1㎡、1000㎤=1㎥など 長さ・面積・体積の場合の 接頭語が付いた状態と付いていない状態の換算の関係) ④かさの単位で 長さの単位からの組立単位と 基本単位相当であるリットルの関係 (1000㎤=1㎥=1Lの関係や、1000mL=1Lの関係 (接頭語が表す数字を 本当の数字に戻して 接頭語なしの単位に換算する際の 長さの単位からの組立単位で面積や体積の単位となっている単位の場合と 組立てずにそれだけで面積や体積の基本単位相当とされている単位の場合との 違いに注意です)) (※センチやキロなどの接頭語は 組立てられた後の面積の単位ではなく もととなる長さの単位に付いています( 接頭語が付いた状態で一グループの単位である という国際的なルールであり 面積の単位はそれ全体が2回・体積の場合はそれ全体が3回かかっている組立単位) ) (※基本単位メートルの組立単位である体積単位m³についた接頭語を数字に戻して換算する際は、接頭語は基本単位に付いているので、接頭語が表す数字を3回(つまり組立で掛け合わせた回数で“べき乗倍”)する必要がありますが、リットルは 基本単位相当 なので(面積の単位アールも)、そこについた接頭語を数字に戻して換算する際は「接頭語が表す数字そのもの」となります))
測定
測定 (1-3年生) : 5年生 – 各項目 概要説明
変化と関係
変化と関係 (4-6年生) : 5年生 – 各項目 概要説明
- 伴って変わる二つの数量の関係のうち、比例という関係があることを知る(簡単な場合(y=axかつaは簡単な整数 程度の関係)を例に、この場合 一方が2・3・4…倍になると それに伴い他方も2・3・4…倍となることを、表を用いて知る程度でよい)(例えば 高さが決まっている階段の段数と全体の高さの関係、や 長方形で横の長さが決まっている場合の縦の長さと面積の関係 など)、比例の関係は 乗法の式で表せる状況と深く関わっていることに気付く、見つけ出した比例の関係を的確に捉えて言葉でも表せるようにする(縦の長さが2倍、3倍、4倍…になれば 面積も2倍、3倍、4倍…になる、などの表現)、1から見て2倍、3倍…を調べるだけではなく 2などをはじめ どこの値から調べても 同じ関係になっていることを理解する、2倍や3倍を ×2や×3と考えて 逆にみると÷2や÷3の関係になっていることにも触れる
- ある二つの数量の関係と 別の二つの数量の関係を比べる際に それぞれの割合を用いて比べる場合があることを理解する、全体と部分の大きさの関係同士や 部分と部分の大きさの関係同士を比べる場合に 割合を用いる場合が多いことを知る、複数の基準量と比較量の関係について それぞれの基準量を1・比較量を割合として小数で表すことにより その関係同士を比べる場合があることを理解する、そのような比べ方ができるようにする、基準量と比較量には 全体と部分の場合 および 部分と部分である場合があることを知る、また 割合は 言葉では様々な表現で示されるので それらの表現の中から 的確に何が基準量で何が比較量かを捉えることが出来るようにする(Aを基にしたBの割合は□、Aを□倍したらBになった、BはAの□倍である、など表現が変わっても「Aが基準量 Bが比較量であり その割合が□である」ことを捉えられるようにする、算数と言うより国語ですね)、全体を基準値1にする という考え方を理解し 次の百分率の考え方へとつなげていく(※例)「シュートのうまさ」を全体と部分の割合で比べる方法:全シュート数と入ったシュート数という全体と部分の関係に着目する→ この比べ方で「シュートのうまさ」が0.6であった場合 これは全シュート数と入ったシュート数の関係であることを捉えられるようにする、0.6 の割合で入る「うまさ」というのは 10 回中なら6回入る 20 回中なら12回入る ということであり これらは同じ関係であることが理解できるようにする、背後にある「全シュート数」と「入ったシュート数」の間の比例関係を感じ取れるようにする、同じ「うまさ」で全シュート数が違う場合も 違う「うまさ」を比べる場合も うまさは差では比べられず 割合で比べる必要があることを理解する、この比べ方 すなわち「全シュート数」を基準量として その大きさを1として それに対する「入ったシュート数」の割合を小数で表すことで「シュートのうまさ」を比べていくという比べ方を通して 全体を基準値1にするという考え方の理解を深める)(※もちろん、入ったシュート数と入らなかったシュート数という部分と部分の関係に着目する方法もあります。シュートの場合は全体と部分の方が比べやすいかと思いますが、様々な場合で 何と何を基準量と比較量としているかを明確にした上で両方行い この場合は全体基準の方が捉えやすいなー とか こういう理由で自分は部分基準の方が考えやすいかなー などの感想がもてたらすごいですね!)
- 割合で表す際に 比べ合う数量の値を 比べ合うどれかの値ではなく「全てを合計した全体に基準を定めた割合」で表す場合は多いことを知る、その際「全体が基準量1」となることを改めて理解する
- 全体が1だと部分となる比較量は小数となり 割合が小数で表されるとき なるべく整数で表した方が扱いやすい ことも理解する、そのために「1である全体を100とおきなおした割合の表し方」が百分率であることを理解する、百分率を表す単位パーセント(%)を使えるようにする、百分率を求めたり 用いたり 基準量1に戻した場合と換算したりを できるようにする、ある二つの数量の関係(全体Aと部分B)と別の二つの数量の関係(全体Cと部分D)とを割合を用いて比べる場合に 百分率で割合を表し 百分率で比べられるようにする、日常生活でよく見かける「割合の便利な表し方」の一つであることを改めて認識する(欠席率が15%だった、定価の20%引きで買った、など)(※不確定な事象についても百分率が用いられて表現されることがありますが こちらは中学校での学習内容になります(明日の降水確率は20%、など))
- 上記同様「全体に基準を定めた割合」で「1である全体をを10とおきなおした割合の表し方」が歩合であることを知る、歩合を表す単位である 「割」について「1割=10%=0.1」であることを知る、その他の歩合の単位「1分=1%=0.01」「1厘=0.1%=0.001」にも触れる、こちらも日常生活でよく見かける「割合の便利な表し方」の一つであることを改めて認識する(お値段3割引き!や中身増量2割増し!などは嬉しい響きです^^)(※「歩合」は『日本で使われている「十分率」の表記法』とも言えると思います。(0.01を意味する分や0.001を意味する厘の単位も用意されていますが 1を100分や1000厘などではなく「10割」と表現しますので 「十分率」がふさわしいかと思います。))
- 一つの量だけでは比較できない事柄に着目する(速さは移動距離やかかった時間のどちらか一方のみでは分からいことや 混み具合は広さや人数のどちらか一方のみでは分からないこと など)、「単位量と そこに含まれる 単位量とは異種の量の大きさ」である「単位量当たりの大きさ」の意味と表し方を理解する、速さや人口密度などを 単位時間や単位面積あたりの量として捉えて 数値化して求める、速さや人口密度などを求めて それら用いて比較を行う、速さや人口密度などでの比較を通して 「二種類の量の兼ね合い(異種の二つの量の割合)」で捉えられる数量を比べる際に「単位量当たりの大きさ」を用いて比べれば 三つ以上のものでも比べられたり いつでも比べられることを知り 実感する(新幹線の速さを種類(はやぶさやつばさなど)で比較したり、1㎢当たりの人口 すなわち人口密度で人口の疎密を比較したり、1a当たりの収量で米の収量を比較したり、など)、「単位量当たりの大きさ」は「基本的な量の性質をもっていない量」であり、このような量を比べ合うのは5年生が初めてだが、「量を比べている」ということを認識しながら比較を行う、「単位量当たりの大きさ」という量を比べるということが つまり何を比べているのか その意味を十分に理解できるようにする 、「単位量当たりの大きさ」を用いて比べる効率性や利便性を理解する (※二種類の量のうちどちらを単位量とするかは 「値が大きいほどその度合いが大きいことを表すようになる」ように単位量とすることが利便性が高く一般的ではあるが、逆の取り方をすることが慣用となっている場合もある ことにも触れる→ ①人口密度は 面積を単位量とすれば 人数/単位面積で その値が大きい=混み具合の度数が大きい(つまり混んでる)、 人を単位量とすれば 面積/人で その値が大きい=一人当たりの面積が広い=混み具合の度数が小さい(つまりすいてる)、なので 値が大きいことが そのまま混み具合の度数も大きいことも意味できる 人数/単位面積 が一般的 ②速さは 時間を単位量とすれば 長さ(進んだ距離)/単位時間で その値が大きい=速さ具合の度数が大きい(つまり速い)、 進んだ距離を単位量とすれば 時間/長さ で その値が大きい=単位とする長さを進むのにかかる時間が大きい=速さの度数が小さい(つまり遅い)、なので 値が大きいことが そのまま速さの度数も大きいことも意味できる 長さ/単位時間 が一般的。(※ただし速さは、100m走や1000持久走、水泳25mのタイムなど、その距離を進むのにかかる時間が小さい ことが速さを表す使われ方が慣例になっているものも 子供達の身近にも多数ある (ただし 距離で割って物理的な1単位距離分の時間などとはしない場合がほとんどですね、しいてこじつけるなら その全距離自体を一つの単位としている感じでしょうか、測った時間の小ささが即そのまま速さを表せるので 速さを競うスポーツは結構この使われ方が多いですね。何をもって利便性が高いとするかは状況によるということですね。) (※「基本的な量の性質」は次になりますが、一般的な量でそれをもっていない量は存在し 特に珍しくはありません;①量の保存性(一本のリボンは伸ばしても曲げても長さは同じ や コップの水の量は茶碗にうつしてもかさは同じ など) ②量の加法性(コップAとコップBの水を合わせてコップCに入れたらAのかさとBのかさの合計がCのかさとなる など) )
データの活用
データの活用 : 5年生 – 各項目 概要説明
- 数量の関係を 全体を基準とした割合で捉えて表すのに適したグラフとして 帯グラフと円グラフがあることを知る、どちらのグラフも ある事柄についての数量の関係を 全体量を基準量・各項目の量をそれぞれ比較量として 基準量と比較量との関係をグラフとして表したものであることを知る (ある年の都道府県別の米の収穫量など 基準量:全収穫量(全体量)・比較量:各県ごとの収穫量(各項目の量)として)、これらのグラフは 全体に対する各項目の割合や 各項目の割合同士が比べやすいという利便性を知る
- 帯グラフは 各項目の数量の割合の大きさに対応させて 帯状の長方形を 幾つかの長方形に区切って表したグラフ であると知る、並べると比率の変化を確認しやすいという特徴を知り実感する
- 円グラフは 各項目の数量の割合の大きさに対応させて 円を 幾つかの扇形に区切って表したグラフ であると知る、1/2や1/4といった各項目の全体に対する数量の割合を捉えやすいという特徴を知り実感する (この段階での円グラフ作成練習は 手描きの場合 もとから円に10等分や100等分の目盛りの入った用紙を用いることが指示されています) (※学習としてではなく 成長して本当に使う必要が生じた時は おそらくほとんどがコンピュータ作成です)
- 複数のデータ系列について 各項目の割合を比較する際にも これらのグラフが使われることを知る、 その際 並べると比率の変化を確認しやすいのが帯グラフであるため 一般的に 帯グラフが用いられる場合が多いことを知る(各都道府県の米の収穫量の 毎年の推移を過去5年分、などで この場合のデータ系列は 今年のデータ、去年のデータ…、であり、各都道府県がデータ項目)、全体を基準とする割合なので 系列ごとの全体数量が違えば 同じ項目の割合の大小の推移からは 数量の大小は判断できないことに注意する(とある県は 去年も今年の全体収穫量に対する割合は30%で変化がなかった場合でも 今年の方が全国的に豊作で全体収穫量が増えていれば 県の収穫量も当然増えている)、割合での比較の意味を理解した上で どのような比較方法でも 割合での比較と 実際の数量の大小は別であることを 再認識する(今までの割合の学習などでも学習してきたことですが 複数の帯グラフなどでの比較では グラフの見た目という 新たに惑わされる要因が追加されるので 改めて注意してください (上記の米の収穫量の例でも 去年も今年も30%で変化なし は実際の収穫量の変化なしを意味していないことは 既に頭では分かっているハズなのに グラフで比較すると グラフの見た目が同じになるので そこにつられてつい間違えてしまう…ということもあるかと思います))
- 事柄の因果関係や傾向を 漠然と捉えるだけではなく データに基づいて判断するという「統計的な問題解決の方法」という考え方および解決方法があることを知る(「PPDACサイクル」といわれる問題解決のためのフレームワーク(思考の型や枠組み)の一つです)、「統計的な問題解決の方法」とは以下の「①問題(Problem)→②計画(Plan)→③データ(Data)→④分析(Analysis)→⑤結論(Conclusion)」という五つの段階を経て問題解決する方法であることを知る → ①問題(Problem):問題や課題の発生と明確化(問題は何か、その問題が実際にデータとして表れているのはどんなデータであるか などを具体的にしていき 着目点などを正確に把握していく) ②計画(Plan):調査・分析を行うための計画 解決に必要な情報は何か について見通しを立てて どのようなデータを どのように集めるか という具体的な計画を立てる、しっかりと調査の計画を立てて 正確なデータを集めることは 間違ったデータ収集や再分析という回り道や戻り作業などの大きなロスを防いでくれてるので これが面倒なように見えて 一番確実であり一番の近道です ③データ(Data):実際にデータを集めて 分類整理する、調査計画で立てた計画に沿って必要なデータを回収すること そして その結果情報を集計・整理および必要に応じて加工して 生データを表にまとめることまでが 一般的には ここの段階に含まれます(小学生では表の作成も この段階か次の段階か境界は曖昧かもしれません)(グラフ化は次の段階です) ④分析(Analysis):目的に応じて 観点(何が知りたいか)を決めて適切なグラフに表すなどして データの特徴や傾向をつかむ ⑤結論(Conclusion):分析結果を基に 結論や問題の解決方法をまとめる、また そこから 更に考察を深めると さらなる問題や新たな発見が見つかったりする 、身の回りの事柄について 興味や関心や問題意識に基づいて問題を発見・設定して この「統計的な問題解決の方法」で考察していくことが できるようにする、今までの学年で学んできたデータの収集や分析なども このために使うものであることを再認識する、 この解決方法の中で 今までに学習した分析手法の どの方法を用いて分析するのが適切であるかを 計画の段階で視野に入れれるようにする、また 選んだ分析方法に合わせたデータの集め方などを考えられるようにする、結論を得て満足ではなく 得られた結論の意味や妥当性を考えたり 別の観点から考えて結論を疑ってみたり 問題解決の各段階が適切であったかを振り返って考え直す という考え方や姿勢も育む
- 幾つかの数量や数値をならして 中間的な値を求めるという 平均の意味を理解する、測定結果を平均する方法(多いところから少ないところへ移動してならす方法や 全てを足し合わせて等分するという方法)と 平均の意味を 関連させて理解する、測定には必ず誤差が伴うことと 幾つかの測定値を同じ大きさの数量にならすと より妥当な数値が得られる場合が多いことを知る(直線などの長さを計る際 物差しでは1㎜より細かくは測れないので 誤差が生じることがあるため 何人かで測って その値を平均すれば より妥当な数値が得られやすい など)、測定する対象がもつ真の値に近い値を得るために 平均を用いることを知る、飛び離れた値や 予想外の値があった場合にはその原因を調べ 場合により それらの値は除いて平均を求めることなども考えられるようにする、測定値を合計して等分する際 答えの数の桁数を 測定値の桁数より多く出してもあまり意味がないため 四捨五入などを行い 元の測定値の桁数程度になるようとどめるのが普通であることを知る、形式的な計算ではなく 意味を理解し 考慮すべき点を考慮した上で 平均値を妥当な数値として示せるようにする
おわりに
以上で、5年生算数の各項目についての詳細説明は終了です。
今回の「おわりに」では、5年生の壁の一つである「全体を基準とした割合の表し方」について書きたいと思います。
まず「割合」は算数用語としての意味と 日常語としての意味が 混在していますが、今回の話題である「全体を基準とした…」は、算数用語の意味の一つとしての「割合」であり、4年生から学習している内容の発展です。
ここで、割合と百分率と歩合の関係が分からなくなる子は珍しくありないようです(うちのウリコも!)。
ですが これは子供に限らず、「割合と百分率と歩合は何が違うのか説明して?」と問われたら、大人でも難しいのでは、と思います。(というより思いたい…、現に作成者はこの記事を書くのが難しかったので、自分だけではないと思いたい(笑)。)
さらに、学習指導要領解説には「百分率や歩合が日常よく使われる便利な表現であることも指導する」的なことが指示されていますが、2割引!などの言葉は よく使われるというより、日常的すぎます。
日常的すぎて「○割引とかいうのが割合だよねー」と捉えてしまう子もいると思います。
が、きちんと文章で整理していくと…
割合と百分率と歩合と○割引の関係
- 「どこかに基準を定めて その数を1として 比べ合うそれぞれの数が いくつになるか」が「割合」
- 基準の定め方は、比べ合う数のどれかに定める場合と、それらを合わせた全体に定める場合と、がある
- そのうち「基準を全体においた割合」での表現は便利で、日常生活でも一般的
- その一つである「百分率」は 基準となる「全体=1」を「100」とおきなおした割合の表現で、単位「%」を用いて表記
- 「歩合」は「全体=1」を「10」とおきなおした割合の表現で、単位「割・分・厘」などを用いて表記
- 「○割引!」などの「割」は、そんな歩合の単位であり、全体の1/10であることを表している
作成者は理系人間なので それなりに解っていたつもりでしたが、いざ言語化しようとすると 理解があやふやな個所も多々あり…(汗)
大人の学び直しをして、ようやく頭を整理して 文章としてまとめることが出来ましたヨ…、これを正しく理解できる5年生はすごいのですが…、と思うのですが!?(-o-;)
そして「歩合」は『日本で使われている「十分率」の表記法』とも言えると思います。
こうは教わらないので、むしろ これも説明すれば、少しは混乱が解消される子もいるかな、などと考えますが どうでしょう? かえって混乱するかも??
…まぁつまり、なかなかに難しいと思います、まさに壁です、頑張れ子供達!!
そして壁の5年生を過ぎれば 6年生はもはやラクラク…、と思いたいですが、そんなこともなく。
ここまでで まだ、これまた多くの子が苦手となる「分数の割り算」は出てきておらず、こちらは6年生での登場となります。
では 次回は そんな6年生 一回目 「小学校 算数【6年生】– ①単元と項目」へと進みます。
参考文献
〇 「割合」について 次の論文を参考にしました ;
〇 「統計的な問題解決の方法 (PPDACサイクル)」について 次のサイトを参考にしました;
それでは(^^)/