こんにちわ、訪問ありがとうございます!
はじめに
前回「小学校 算数 【6年生】– ①単元と項目」をご紹介しました。
それだけでも 十分かもしれませんが、学習指導要領 公式解説には、なるほど!と思う詳しい内容が沢山載っています。
家庭学習をサポートする上で 知っていて損はないと思いますので、今回の記事では、それらを基に さらなる調査などを追加して 詳細をまとめて、前回ご紹介した項目名に沿って 一覧にして ご紹介します。
これだけで かなりのボリュームになってしまいますので、必要なところだけ読んでいただければと思います。
そして 単元の土台や目的、算数的な小話など、他にも記載したいことが沢山あるのですが、ブログ記事だと さらなるボリュームを追加すると 読みにくくなりますので、それらはnote版PDFの方に載せます。
それでは、「小学校 算数【6年生】– ②詳細説明」、ブログ版は主に項目についてのみですが、見ていきましょう!
小学校 算数 – 6年生の詳細説明 (項目について)

各領域ごとに、前回ご紹介した項目と同順で、各項目の詳細を挙げていきます。

数と計算
数と計算 : 6年生 – 各項目 概要説明
- 4-5年生で学んだ 小数の乗法・除法の意味(4年生で 被乗数・被除数が小数の場合、5年生で乗数・除数が小数の場合の意味を学習) および 5年生で学んだ「分数と小数は別物ではないという考え方」から繋げて 分数の乗法・除法の意味を捉える (つまり小数の場合と同じ意味で それを分数に拡張して捉える): <4年生の内容> 〇乗法の場合 … まずは 乗数や除数が整数の場合について 小数の乗法・除法の計算の意味を理解する (つまり 小数×整数、小数÷整数、および 整数÷整数=小数の場合 が4年生の学習:乗法の場合は その意味である「 一つ分の大きさ(被乗数) × 幾つ分か・何倍か(乗数) = 該当数分に当たる大きさ(積)」において 被乗数である「一つ分の大きさ」が小数になっても その小数が幾つ分か (何回足すか または 何倍あるかという考え方で計算できる) と捉えて この考え方で この式がそのまま使えることを理解する 〇除法の場合 … 除法を乗法の逆として見た際に 被乗数と乗数のどちらを求めるのかで分かれる除法の二つの意味「①一つ分の大きさ(商(もとの被乗数))を求める場合:該当数分または該当倍の際に当たる大きさ(被除数(もとの積))÷幾つ分または何倍なのか(除数(もとの乗数))」「②幾つ分または何倍なのか(商(もとの乗数))を求める場合:該当数分または該当倍の際に当たる大きさ(被除数(もとの積))÷ 一つ分の大きさ(除数(もとの被乗数))」で ①②どちらにおいても 被除数が小数になっても あるいは 商が小数になる場合も この考え方で この式がそのまま使えることを理解する (※ ①は等分除 ②は包含除 の考え方です。)、除法②(包含除)において「②幾つ分または何倍なのか(商)=該当数分または該当倍の際に当たる大きさ(被除数)÷ 一つ分の大きさ(除数)=a÷b」として 3年生では 商の意味を「数量aは数量b の幾つ分であるか」と捉えたが この意味を拡張して商を「bを1とみたときに aは幾つに当たるか」とも捉え直せるようにした上で 商やaが小数の場合も含めて 意味を捉えられるようにする <5年生の内容> 〇乗法の場合 … 乗法の意味である「 一つ分の大きさ(被乗数) × 幾つ分か・何倍か(乗数) = 該当数分に当たる大きさ(積)」において 乗数である「幾つ分か・何倍か」で 「幾つ分か」は小数だと捉えにくいので どちらもまとめて『「基準にする大きさ(被乗数)の その倍数(乗数)分 に当たる大きさ」を求めると「積」となる』と捉え直して その乗数が小数になっても この意味で捉えられるようにする、この意味より 乗数が1より小さい場合 積は被乗数より小さくなることも理解できるようにする 〇除法の場合 … 除法を乗法の逆として見た際に 被乗数と乗数のどちらを求めるのかで分かれる除法の二つの意味について どちらの場合も 除数が小数でも意味を捉えられるようにする; 乗法を「基準にする大きさ(被乗数) × 倍数(乗数) = その倍数分に当たる大きさ(積)」と捉え直した上で ①基準にする大きさ(被乗数) を求める場合:「その倍数分に当たる大きさ(被除数(もとの積))÷倍数(除数(もとの乗数))=基準にする大きさ(商(もとの被乗数)) 」これは乗法をA×a=Bとした場合のB÷a=Aであり、Aを求める つまり Bは幾つを基準としたときのa倍であるか を求める 即ち 基準にする大きさを求める考え方 であり この場合の除数が小数 即ち aが小数 つまり倍数が小数の場合も 同じ考え方で意味を理解できるようにする(※乗数が小数の場合の乗法の意味(5年生の内容)で その際の被乗数を求める除法になります(※被乗数を求めるのは等分除))、②倍数(乗数) を求める場合:「その倍数分に当たる大きさ(被除数(もとの積))÷基準にする大きさ(除数(もとの被乗数)) =倍数(商(もとの乗数))」これは乗法をA×a=Bとした場合のB÷A=aであり、aを求める つまり BはAを基準とすると何倍であるか を求める 即ち 倍数を求める考え方 であり この場合の除数が小数 即ち Aが小数 つまり基準にする数が小数の場合も 同じ考え方で意味を理解できるようにする(※被乗数が小数の場合の乗法の意味(4年生の内容)で その際の乗数を求める除法になります(※乗数を求めるのは包含除))、どちらの意味でも、除数が1より小さい場合 商は被乗数より大きくなることも理解できるようにする 〇 整数や小数と分数:「整数と分数」および「小数と分数」は別ものなのではなく 表記は違っても 数としては 同じ数を表していることを理解する <6年生の内容 > 乗法・除法ともに、「整数と分数」および「小数と分数」は別ものなのではなく、表記は違っても 数としては 同じ数を表していることを改めて実感しながら 分数の乗法・除法の意味も 理解する
- ある数で割ることと その逆数を掛けることが 同じ状況を表せることを 図などで確認して 実感しながら 理解する、そこから 除法を 逆数を用いて乗法の計算の形に変換できるようにする(例:3で割ることと 1/3を掛けることは 同じ状況が表せるので ÷3 は ×1/3 とも表せる、分数でも同じで ÷3/4 ×4/3 とも表せる、 よって2/5÷3/4は2/5×4/3とも表せる、など)、整数や小数を分数で表すことで これらの乗法・除法を分数の計算にまとめられるようにする(5は5/1 ÷2は×1/2 0.3は3/10とも表されるので 5÷2×0.3= 5/1×1/2×3/10 =5×1×3/1×2×10 と分数にまとめて表せる、など)、分数の乗法・除法の計算は 真分数や仮分数を中心に習得し 帯分数を含む計算は理解度に応じて練習する(帯分数よりも仮分数で表す方が計算を進めやすくなることに気付くために 帯分数での計算も行う 程度でよい) (※ 真分数:分子が分母より小さい分数(1/2、3/5 など)・仮分数:分子と分母が等しいか 分子が分母より大きい分数(2/2、7/5など)・帯分数:整数と真分数を合わせた形の分数(1 2/5 など))、これらの方法を用いて 分数の乗法・除法の計算ができるようにする (※複雑な計算が出来るようになることを目的とするのではなく 分数の乗法・除法の計算を 生活や今後の学習へ活用できるように 考え方を理解して 基本的な計算が確実に出来るようになることを重視する)
- 分数の乗法・除法でも 整数や小数の場合と同じように 交換法則・結合法則・分配法則が成り立つことを理解する(もちろん乗法・除法のみではなく 加法・減法含めて すべての法則が分数でも成り立ちます) (※ 交換法則(加法と乗法) a+b=b+a ・ a×b=b×a、分配法則(加法・減法と乗法) a×(b±c)=a×b±a×c ・ (a±b)×c=a×c±b×c、結合法則(加法と乗法) (a+b)+c=a+(b+c) ・ (a×b)×c=a×(b×c) )、また 法則以外でも 乗法・除法で成り立つ性質は 分数でも成り立つことを理解する→①乗法で成り立つ性質:乗数が2倍、3倍、4倍… になると積も2倍、3倍、4倍…になる ②除法で成り立つ性質:除数と被除数に 同じ数をかけても または同じ数で割っても 商は変わらない
- 数量を表す言葉や □、△などの代わりに a、x、などの文字を用いて 式を表す
- 「文字が未知の数量を表す場合」「文字が変量を表す場合」「計算法則などを文字を用いて式に表す場合」 ともに 文字を適切に式へ用いることができるようにする;①文字が未知の数量を表す場合:□や△を用いた場合と同様に処理できるようにする、文字が表す未知の数量を求めるために 逆算をしたり 文字に順序よく数を当てはめたりして 文字に該当する数を考える ②文字が変量を表す場合:二つの数量の関係を 二つの文字を用いた式に表せるようにする、一方の文字に当てはめる数を決めたときの 他方の文字に当てはまる数を求められるようにする ③計算法則などを文字を用いて式に表す場合:計算法則や性質や公式などを 文字を用いて一般的な式に表したり そのようにして表された式を理解できるようにする、それらの式の文字にいろいろな数を当てはめて 式が成り立つことを確認する、これらの活動を通して 文字の式への使用に 慣れていく (※中学では上記以外の用途での文字の使用として「④定数としての文字の使用」という用い方も登場します(比例や反比例の比例定数としてaという文字を用います))
- 文字に数を当てはめて調べたりする活動などを通して 文字には整数はもちろん 小数や分数も 同じように当てはめることができる ことを理解する、これらの活動を通して 以降の学習や 中学校数学で 文字を用いた式を積極的に活用していけるよう 土台となる感覚を育む
図形
図形 : 6年生 – 各項目 概要説明
- 大きさを問題にせず 形が同じであるかどうかの観点から図形を捉えた 縮図や拡大図 というものを知る (つまり相似図形ですが「相似」は中学3年生で正式に学習、形のみではなく大きさも同じである場合は「合同」で こちらは5年生で学習)、縮図や拡大図の関係にある図形同士は 対応している角の大きさは全て等しく 対応している辺の長さの比はどこも一定であることを理解する、縮図や拡大図の作図方法は 方眼用紙などの1マスを 縦横の両方の向きに 同じ割合で縮小や拡大したマスを1マスと定め直して 新しいマスで同じ図形を描く方法や、一つの頂点に集まる 全ての辺や対角線を 長さの比を一定にして 描いていく方法 などがあるので これらの方法を用いて 実際に作図を行う、縮図や拡大図の意味や特徴を 作図を通して理解する (※この「縮図・拡大図」と【変化と関係】領域の「比例」および「比」は 深く関連しあっているので、相互に理解を深めることができるようにする必要があります)
- 対称性は 一つの図形について 線対称・点対称の二つの観点から考えられることを理解する、線対称・点対称な図形の意味を知る;①線対称な図形:1本の直線を折り目として折ったとき ぴったり重なる図形で このとき対応する点同士を結ぶ線分は 全て 折り目にした直線によって垂直に二等分され この折り目にした直線を「対称の軸」という ②点対称な図形:一つの点を中心にして180 度回転したときに重なり合う図形で このとき対応する点同士を結ぶ線分は 全て 中心にした点を通り その中心によって二等分され この中心にした点を「対称の中心」という、 線対称・点対称の意味を 観察や構成や作図などの活動を通して理解する、線対称な図形・点対称な図形・線対称かつ点対称な図形 の判別などの活動を通して 図形の見方を深める
- 円の面積が (半径)×(半径)×(円周率)で求めることができることを理解する、円の面積を計算で求めることができるようにする(円周率は 3.14 を用いる)、単に公式を暗記して使いこなすだけではなく 今までの学年で学んだ 基本図形の面積の求め方に戻って考えることで 円の面積が公式の計算方法で求められることを理解する(※以下 円の面積が公式で求められることの 小学生のこの段階での 確認方法の流れです); ①円を中心を通るケーキカットで何等分かにする ②その円を上半分と下半分に分けて それぞれからの 各扇形を交互にかみ合うように並べて並行四辺形に近い形を作る ③等分をどんどん細かくしていけば 平行四辺形は 底辺は円周の半分の長さ・高さは円の半径 に近づく(つまり長方形に近づく) ④円の面積は その平行四辺形の面積なので これを求める式を立て 式を整理して交換法則なども用いて順番を変えていくと 次のように 円の面積の方式に辿り着く→ (底辺)×(高さ)=(円周の半分の長さ)×(半径)={(直径)×(円周率)÷2}×(半径) ={(直径)÷2×(円周率)}×(半径) = (半径)×(円周率)×(半径) = (半径)×(半径)×(円周率) (※「円の面積の公式」の証明は、こちらは小学生用ですが、一般的には 積分という高校数学レベルの知識を用いて行います。ただし高校レベルでの証明法では欠陥も含んでいるようで、厳密な証明は大学レベルのものとなる深いもののようです。)、公式を読み もとの円のどこの長さに着目すると面積を求めることができるのか(つまり 半径に着目) 振り返って考える、公式が半径を一辺とする正方形の面積の3.14 倍を意味していることを 図と関連付けて理解する、円周率は無限に続くが 一般的には3.14 を用いることを 再認識して 3.14 を用いて処理していく
- 5年生で立方体や直方体は 一辺が1㎝や1mなどの単位体積の立方体を積み重ねてつくれること および つまり その体積を計算によって求められることを学習したが そのことを基に 角柱や円柱という立体の体積も 計算によって求められることを理解する、一辺が1㎝の立方体を基にして 直方体の体積を (底面積)×(高さ)であると 捉え直す (※5年生で学習した求め方は (縦)×(横)×(高さ) )、基本的な角柱と円柱について 体積が (底面積)×(高さ) で求めることができることを理解する、これらの体積を計算で求めることができるようにする
- 面積や体積の測定対象になる 身の回りにある図形は 基本的な形の図形だけとは限らないことに気付く、その際に 概形を捉えて 測定しやすい形に置き換えたり分割したりして捉える といった工夫をすることで およその面積や体積を測定することが可能になることを理解する (※ 例)平面図形ならば 三角形や四角形のように測定しやすい形と捉えたり それらの図形に分割した形として捉えたりする、立体図形ならば 直方体や立方体と捉えたり それらの立体図形に分割した形として捉えたりする、など)、 身の回りにある形の面積や体積などについて考える活動を通して 概形で捉えるための処理という経験を豊かにする、計算に測定値を用いた場合も もとの図形を概形に置き換えてからの測定であれば 桁数を多く求めてもあまり意味がないことを理解して 適切な桁数の計算ができるようにする
測定
測定 (1-3年生) : 6年生 – 各項目 概要説明
変化と関係
変化と関係 (4-6年生) : 6年生 – 各項目 概要説明
- 5年生で知った比例の関係を整理して 比例の意味や性質として 次のことを理解する;①一方が2・3・4…倍 と変化するのに伴って 他方も 2・3・4…倍 と変化する、一方が 1/2・1/3・1/4倍と変化するのに伴って 他方も 1/2・1/3・1/4倍と変化する、また このような特徴をもった数量の関係を 比例として捉えられるようにする ②この関係を一般的にして 二つの数量の一方がm倍になれば それと対応する他方の数量もm倍になる という関係であることを理解する (この見方を理解することがすぐには難しい場合は 表にいろいろな数値を入れて調べてみるなどの活動を通して この見方に気付けるようにします) (※大人と違い 子供にとって ①の見方から②の見方へ繋げることは 必ずしも容易ではありません) ③二つの数量の対応している値の商は 常に一定になることを理解する、 具体的な数量を表す変量をx・y とすると この関係はy=(決まった数)×x、(決まった数)=y÷x という形で表される (※関数として見た時に (関数とは変わり方に決まりがあり 一方の値が決まるともう一方の値も決まりに従って定まる関係) その値の定まり方の関係が比例であるかどうかを調べる際に 商が一定かどうかを調べることが有効な手段となっていくので、その土台となる見方を育むためにも ③の捉え方ができるようにする ) (※中学校では定数としての文字aを学習して この決まった数は定数a、この関係はy=axと表され、これはいわゆる比例の関係を表す式となります。定数aは比例定数と呼ばれます。)
- 比例する二つの数量についてのグラフが「原点を通る直線」になることを理解する (※この性質は比例の関係を見分けるときなどに用いられる重要な性質です)、このようなグラフになることを 具体的な数量に当てはめて 理解できるようにする
- 日常生活などでの問題を解決する際に 比例の関係を利用すると 手際よく問題が解決できる場合があることを知る、 そのように 比例関係を用いて問題解決を行う方法は 以下のような流れとなることを知る; ①求めたい数量を 直接調べることが難しい問題を見つけ出し 直接調べることが難しいその数量と 比例の関係にあると思われる 別の数量を見つけだす(おおむね比例の関係 でもよい) ②求める数量と 比例関係にあると思われる別の数量 この二つの数量の比例関係に着目することで 表や式やグラフも用いながら 変化や対応の特徴を見つけだす ③一方の数量がm倍なら 他方もm倍になるなど 比例の変化や対応の特徴を確認する、それらの考えを用いて求めたい数量を導き 問題を解決する、 これらの方法で実際に問題を解決する活動を通して 比例関係を用いて手際よく問題解決ができることのよさを実感する、比例でも比例以外でも 関数として変わる関係(関数とは変わり方に決まりがあり 一方の値が決まるともう一方の値も決まりに従って定まる関係) を用いて 必要な値を求めるなどの問題解決を行える場合では 直接調べるのは一方の値や一組の値だけでよかったり 現実に用意することが難しい値などでも求められたりといった 共通する利便性などがあり それらを振り返り 関数のよさを再認識する (※「関数」という用語を正式に学習するのは中学1年生です) (※ただし次項の反比例も当然関数ですが、反比例の方が難易度と掴みにくさ度数が上がるので 、小学生では「関数のよさ」は ここの比例(正比例)と一緒に考えた方が感じやすいかと思います。)
- 反比例という関係があることを知る、比例の場合と比べて考えて 反比例の意味や性質は 次のようになることを知る; ①一方が2・3・4…倍 と変化するのに伴って 他方は 1/2・1/3・1/4倍と変化する、一方が 1/2・1/3・1/4倍と変化するのに伴って 他方は 2・3・4…倍 と変化する ②この関係を一般的にして 二つの数量の一方がm倍になれば それと対応する他方の数量は1/m倍になる という関係であることを知る ③二つの数量の対応している値の積は 常に一定になることを知る、具体的な数量を表す変量をx・y とすると この関係は y=(決まった数)÷x、(決まった数)=x×y という形で表される (※中学校では定数としての文字aを学習して この決まった数は定数a、この関係はy=a/xと表され、これはいわゆる反比例の関係を表す式となります。定数aは1/xに比例するということで やはり比例定数と呼ばれます) (※「反比例定数ではない」ので注意ですが 数学理論の本質的なことではなくネーミングの問題でもあるので「でも直接かかるのと分母としてかかるのじゃ違くない?」と突き詰めず「うん分かったそのネーミングでそこまでカバーするのね」的な覚え方でいいと思います (中学生になってからでよいですが…))
- もともと出来上がっている反比例のグラフを参照したり 同じ反比例の関係から幾つかの点をとってグラフを作成したりして 反比例の変化の様子を調べる、グラフからも 比例と反比例の違いに気付けるようにする
- 二つ以上(小学生は主に二つ)の数量を比べて どちらか一方を基準量とすることなく比べた結果を表した それらの関係が比である ということを理解する
- a:b という比の表し方を理解する
- 1としないといけない基準がないため 比べ合う全ての値が 扱いやすい 一番簡単な整数で表せるようにする ことが多いことを理解する、その処理が出来るようにする
- 比を構成する それぞれの値の 全てに同じ数をかけたり 全てを同じ数で割ったりしても 出来上がる比は 全て等しい比となる という 比の性質を理解する、背後に比例関係があることを知る
- a:b の比で b=1とみたときに aがいくつになるかを表す a/bを「比の値」ということを知る、この値が この比の状況で bを基準としたときのaの割合を表していることを理解する、比の値を用いて 等しい比を確かめられることを理解する (※混在する「割合」の意味の 共通する基本イメージは「割り算を用いて比べた結果(数でも関係でも)」といったところかと思います (引き算で比べた結果は「割合」とは言いません)。(「割合」は日常語として古くから用いられており、基本イメージを明確に断定できるような 由来的なものなどは 調べきれませんでした。) では「比」は割り算なのか、ですが、確かに比を一番単純にするのは 最小公約数が幾つ分ずつ含まれるかの 整数比で表すことなので、そこに至るまでに割り算が入ってきます。が、この場合 もっとワールドワイドな視点で捉えるのが 一番 単純で早いかと思います。除算記号は日本やアメリカ・中国などなど、多くの国で おなじみの「÷」を使いますので これ一択と思われがちですが、実は違います。 並行して 現在でも、ヨーロッパの一部(ドイツなど) では「:」です。分数は割り算の表し方の一種でもあるので A÷B=A/Bですが、「:」も除算記号なので、例えば 3:4=3÷4=3/4、この商は 「:」を除算記号ではなく比の記号とみれば 比の値です。「3:4は比で この時 3/4は比の値」 であると同時に ワールドワイドに 3:4は 3:4=3÷4=3/4 を求める割り算であり、比べた結果を割り算で求めたと 捉えようと思えば 捉えられます。このくらいの広い視野と心で捉えれば、比を 割合の一種 と捉えても 矛盾もないかと思います。) (※ちなみに乗法「 一つ分の大きさ (被乗数) × 幾つ分か・何倍か(乗数) = 該当数分に当たる大きさ(積)」を 基準量A×割合= 比較量B とすると、この割合が比の値になる比は B:A となります。B:A= B/A:1 です。比の値は「後項が1の時の前項が比の値になり、比 B:Aの B/A」であり、また この値を「比の値」と呼ぶことはルールです。作成者は最初「前項と後項、どちらが1の時のどちらに値するものを 「比の値」と呼ぶかがルールなだけなら、逆の方が AとBの順番が 乗法と同じになり、子供達捉えやすそうなのにな?」と疑問にも思いましたが、除算記号「:」を考えると 納得しました。逆を比の値と呼んでしまったら、子供達が世界に出た時混乱してしまうので、やはりこちらが適していますね。ルールはよく出来ていますね!)
- 比の意味や性質や比の値を用いて 数量の関係を比で表せるようにする、等しい比を理解したり つくれたり出来るようにする、および比から 知りたい数量の値を求められるようにする
データの活用
データの活用 : 6年生 – 各項目 概要説明
- 量的データの全体の特徴や傾向を読み取りたい場合 それらを代表して表す値 として 代表値という値を用いることを知る、代表値として用いられる 平均値・中央値・最頻値 の意味と求め方を理解する;〇平均値:データの個々の値を合計し データの個数で割った値(日常的には「平均」ということも多い) 〇中央値(メディアン):データを大きさの順に並べたときに 順番が中央になる値 〇最頻値(モード):データの中で最も多く現れている値 つまり最も頻繁に表れている値 (※ ちなみに最大値・最小値は 全体の中心的な傾向を表す値 という意味では代表値と見なされていないようですが、統計学的には これらも代表値の一つである、ともされているようです。) (※ 6年生では最大値・最小値は代表値としては学びませんが、結局のところ、最大と最小の値をデータから読み取り、必要に応じて考察の一つの因子とする力は必要となります)、 代表値を用いるメリットとデメリットを知る;〇メリット:一つの数値で表すことで データ全体の特徴を簡潔に表すことができ 複数のデータを比較することも容易になる 〇デメリット:分布の形などの情報(幅広く分布しているか代表値の周りに集まっているのか、など)は失われているので 代表値の用い方には注意が必要な場合も多くある、 一般的に指標として最ももよく用いられる代表値は平均値であることを知る、しかし平均値は代表値として適切ではない 次のような場合もあり このような場合は中央値や最頻値を代表値として用いることを知る;①平均値がデータが集中している付近からずれてしまう場合(分布が非対称であったり 多峰性であったりする場合や 極端にかけ離れた値があったりする場合 など) ②代表値として用いる目的から平均値がふさわしくない場合(衣料品メーカーが手袋やTシャツなどの今年度の売り上げデータをもとに来年度一番多く製造するサイズを決めたい場合 など(平均値ではなく最頻値が目的に合っています))、 これらの例を知り 代表値を用いる場合は 資料の特徴や代表値を用いる目的を明確にして どのような代表値を用いるべきか判断する必要があることを知る
- ある連続する量的データの 各部分に該当するデータの個数の 全体的な散らばりの様子などを知りたいとき ドットプロット(連続する量的データを横軸(数直線などでも)で表し 横軸の各値に属するデータを一つ一つ点(ドット)で上に積み上げて並べたもの)という方法があることを知る、ドットプロットを用いることでデータの散らばりの様子が捉えやすくなることを実感する、データをドットプロットに表したり ドットプロットからデータの特徴や傾向を読み取ったり 最頻値や中央値を見付けたりできるようにする
- ある連続する量的データの 各部分に該当するデータの個数の 全体的な散らばりの様子などを知りたいとき、まず この量的データを特定の幅ごとに区切って、その各幅に該当するデータ数を見ていくという 一般的な方法があることを知る、量的データを区切った 各区間を 「階級」ということを知る (※ 階級幅は一定という決まりはないが、小学校で扱うものは 端以外は 一定の場合がほとんどだと思います)、 階級ごとに含まれるデータの個数を「度数」、各階級にどのくらいの度数があるか 即ちデータ全体から見た度数の散らばりの様子を「度数分布」ということを知る
- 連続する量的データの分布の様子や特徴を捉えたい場合 処理の方法として 度数分布を表す表やグラフを用いることを知る、度数分布表(量的データを区切った各階級に含まれるデータの個数を表にまとめたもの)の特徴を理解して使えるようにする、度数分布を表す柱状グラフ (量的データの階級を横軸に、各階級に属するデータ量を縦軸にとり グラフ化してまとめたもの、だが まだ「各階級の幅を横にして 度数を縦にして長方形をかいたもの」という程度の理解でよい) の特徴を理解して使えるようにする (※中学1年生では 階級の幅を変えて柱状グラフを作り直すなどして分布の様子を的確に捉えることを学びます)、ドットプロットでも分布の様子を捉えることができるが 扱うデータが小数点など 刻みが細かくなっていたり 最小値と最大値の差が著しく開いている場合などには 各点がほとんど積み上がらず まばらに広がってしまうことがあり そのような場合には柱状グラフを用いると考察しやすくなることを知る (※ 柱状グラフはヒストグラムとも呼ばれます。中学生以降はヒストグラムという呼び方の方が より一般的かと思います。) (※ヒストグラムは 見た目が似ている棒グラフと混同せず、両者の違いをきちんと見分けることが大事です;〇棒グラフ … 質的データを集計した個数を高さで表していて 横軸のラベルには質的データの文字情報が表示され 縦軸の高さは 各質的データに属する量的データの値を対応させて表している 〇柱状グラフ … 量的データの分布の様子を分析する目的から 階級に分けて集計したデータの度数の多さを高さで表していて 横軸は連続する商的データなので数値軸となっており 縦軸の高さは 各階級に属する量的データの値 即ち度数の値を対応させて表している (横軸も連続する量的データなので 隙間を空けて その部分に該当する値のデータが存在しないかのような誤認を与えてしまうことを防ぐため 一般的に「棒」ではなく「柱」が隙間なくつけられて表されます) (※ですが、そもそも棒グラフとヒストグラムは、似て非なるものではありません。「棒なり柱なりの高さで、横軸の各項目に含まれる数量の大小を表す」という意味では、どちらも棒グラフです。子供達も 見た目だけで混同しているのではなく、根本的なところは同じだから 混同しているのだと思います。広義にはヒストグラムは棒グラフの一種とも言えます。グラフ自体ではなく 表すデータの違いであり、棒グラフで表すデータの内容が連続する量的データの場合 結果として度数分布を表すことになり、その際は 見た目も この場合専用に少し変え (棒を太くして柱と呼び 隣の柱とくっつけ合って連続データであるイメージと合うようにする)、それを結果としてヒストグラムと呼ぶ、ということですね。)
- 身の回りの事柄について 興味や関心や問題意識に基づいて問題を発見・設定して 5年生で学習した「統計的な問題解決の方法」で考察していき この方法への理解を深める、特に6年生では 目的に応じて収集するデータが異なることや それに応じて分析する手法も異なることを知り 理解する、そこから 目的に応じたデータを収集することや 目的のためには今までに学習した分析手法の どの方法を用いて分析するのが適切であるかを正しく選択すること などへの理解を深めて これらのことを出来るようにしていく、 「統計的な問題解決」の対象は「不確実な事柄」「正解のない問題」であり つまり「確定的な結論は得られない」ことを再認識する、 よって 問題解決の過程や結論を振り返り 適切であったかを考え直したり 改善する余地がないかを 再検討したりすることの大切さも知る、これらの考察から データの収集や分析は「手段」であり「目的」ではないことも改めて認識して「何が目的か」「何のためにデータを収集して分析するのか」を見失わないようにする (※「統計的な問題解決の方法」とは「PPDACサイクル」といわれる問題解決のためのフレームワーク(思考の型や枠組み)の一つで、以下の「①問題(Problem)→②計画(Plan)→③データ(Data)→④分析(Analysis)→⑤結論(Conclusion)」という五つの段階を経て問題解決する方法です; ①問題(Problem):問題や課題の発生と明確化(問題は何か、その問題が実際にデータとして表れているのはどんなデータであるか などを具体的にしていき 着目点などを正確に把握していく) ②計画(Plan):調査・分析を行うための計画 解決に必要な情報は何か について見通しを立てて どのようなデータを どのように集めるか という具体的な計画を立てる、しっかりと調査の計画を立てて 正確なデータを集めることは 間違ったデータ収集や再分析という回り道や戻り作業などの大きなロスを防いでくれてるので これが面倒なように見えて 一番確実であり一番の近道です ③データ(Data):実際にデータを集めて 分類整理する、調査計画で立てた計画に沿って必要なデータを回収すること そして その結果情報を集計・整理および必要に応じて加工して 生データを表にまとめることまでが 一般的には ここの段階に含まれます(小学生では表の作成も この段階か次の段階か境界は曖昧かもしれません)(グラフ化は次の段階です) ④分析(Analysis):目的に応じて 観点(何が知りたいか)を決めて適切なグラフに表すなどして データの特徴や傾向をつかむ ⑤結論(Conclusion):分析結果を基に 結論や問題の解決方法をまとめる、また そこから 更に考察を深めると さらなる問題や新たな発見が見つかったりする) (※「PPDACサイクル」以外の問題解決のためのフレームワークとしては、会社等でよく聞く「PCDAサイクル:①計画(Plan)→②実行(Do)→③評価(Check)→④改善(Action)」などがあります。)
- 順序や組み合わせを考える際は 思いついた順などの 法則性のない列挙では 落ちや重なりが生じる(あるいは生じても気が付かない)可能性が高いことを知る、このような際に 起こり得る場合を順序よく整理して調べることが出来るようにする(規則に従って正しく並べたり 整理して見やすくしたりすることで 誤りなく全ての場合を明らかに出来るようにする ということを意味しており、全パターンの総数を「場合の数」といいます)、そのために適した図や表の使い方を知る(樹形図や対戦表など)
おわりに
以上で、6年生算数の各項目についての詳細説明は終了です。
積み上げ型教科の算数は、どの学年でも 多くのことを「今までの積み上げの上に また積み上げて」理解してきましたが、6年生まで進むと、そんな積み上げ型の特徴が 良くも悪くも 如実に出てくると思います。
今までの学年での 内容の理解に 大きく抜けがあると「もはや何が分からないのか さっぱり分からない… 」となることも…(><) 。
例えばうちの例ですが、6年生の内容で 多くの子が苦手となる、分数の乗法・除法。
ウリコがこちらを 難しい分からん!と言った時、ここ自体が難しいのか、既に今までのどこかが難しかったから理解が進まないのか?なら どこから説明したらよいのか?迷いました。
分数の乗法・除法は、4-5年生での「小数の乗法・除法の考え方」の拡張で捉えることが一般的ですが、ウリコは まずこちらの理解が怪しい。
特に 小数で割ることの意味を捉えるには、2年生の内容である「掛け算の意味」を 復習する必要がある。
その上で、割り算を そんな掛け算の逆と見て、乗法の逆算としての「除法の意味」も、3年生に戻って 復習。
そして小数から分数に拡張するため、小数と分数の関係ついて、両者の意味と、意味に基づいた関連付けも 復習。
何が分からないから 分からないのか? を追っていくと、過去に過去にと戻り戻り、分かっていないところを もう一度 復習・復習・復習の連続…。
それは 今までの学年でも同じだったハズなのですが、なぜここにきて こんなに大量に露呈したのか…?
それは、どんな考え方も 初めは簡単な数を例にして 理解していくのが当然の姿ですが、逆に 今までは 数が簡単だったので、実は理解していなかったけど、流れで解けてしまっていた、から。
そして 解けてしまっている間は、周りの大人も 本人も、理解していないことに気付けなかったけれど、 扱う数が簡単ではなくなってきたら、誤魔化しが効かなくなって(もちろん意図的に誤魔化していたのではありません)、過去の理解の穴が次々と露呈…。
子供の「ここなら分かってるよ、ほら丸ばっかだもん!」を鵜呑みにせず、もっとその都度しっかり見てあげるべきでした…(-o-)
積み上げ型教科の やっかいなところは、躓いたと気が付いた時が 躓いた時なのではなく「当時は100点を連発していた あの時に、本当は躓いていた」これが起こり得るところでしょう。
このように 我が家は積み上げ型の恐怖を痛感しましたが、これは 一般的にも言えると思います。
でも、躓いたら何度でも何度でも、戻って復習すればいいのです、理論は繋がっています!
ただ、子供が躓いていたら、子供の力だけで、小学生の理解力だけで、きちんと理解するのは難しい… と感じました。
全学年を通してですが、子供が「分からん!」と言っていることが、「親も 解けはするけど、本質は分からんのだが…」という事も結構あったりして、算数は深かったです。
本当に、親も勉強ですね(^^;)
次の記事では、今までの記事内容を校正して 学年ごとに見やすく かつ 印刷にも対応出来るように まとめなおして作成した PDFファイルのサンプル画像 をお送りします。
PDFファイルは noteでの公開予定で、有料販売メインですが、一部は無料公開します。
算数は 以下で予定しています;
- 無料公開 …「領域説明」「6年間の単元一覧」「1年生 」
- 有料販売 …「2年生 以降」
では 次回は「≪PDFのサンプル画像≫:小学校 算数」を お届けします。(noteで全学年分PDFの公開後になりますので時間がかかります m(_ _)m)
参考文献
〇 「割合」について 次の論文を参考にしました ;
〇 「統計的な問題解決の方法 (PPDACサイクル)」について 次のサイトを参考にしました;
それでは(^^)/